Kan-Kan の雑記帳


2002年2月26日

 降る雪や  昭和も遠く  なりにけり

 2.26事件ってもう過去のものなのでしょうか?子どもの頃はこの日にいつもテレビや新聞で特集が組まれていた記憶がありますが・・・。

 オリンピックが終わりました。判定や薬物問題で揺れた大会でしたが、これまでの膿が出たということだと思うのです。それが、膿を出せる時代になったということなのか、ナショナリズムの高まりか、マスコミの煽動か、アメリカ中心主義への反発か、メダル主義の高まり、いや、メダルの経済効果への依存度の高揚か、いろいろな考え、思いがあります。ここまできたら、臭いものに蓋をしないで、きちんと決着をつけて欲しいものです。

 いろいろありましたが、フィギアスケートに関しては、判定疑惑で騒がれたけれど、演技に対しては順当な結果と感じました。アイスダンスのフランスもロシアもすばらしかった。ロシアからフランスへ移ったアニセナの執念の勝利でしょうか?女子シングルのサラ・ヒューズも見事。ヤグディンは構成、気力とも抜きんでていました。プルシェンコの追い上げも立派。本田クンの4位は大健闘だと思います。レベルの高さを反映して「エキシビション」は見ごたえのあるものでした。アメリカペアが「リパブリック讃歌」に乗って滑った時、涙がこぼれました。

2002年2月16日

映画大好き

「グリーンデスティニー」

 これはもうわくわくする中国映画。米の資本も入っているが、それがいい面に出て、スケールの大きい伝奇アクションに仕上がりました。

 「グリーンデスティニー」と呼ばれる秘刀を廻る冒険と2組の男女の愛の物語。なにより、ワイヤー操作による飛行場面がスムーズですばらしい。「マトリックス」を凌いでいます。中国伝統の激しいアクションもタップリ。

 それを演じるのがミッシェル・ヨーとチャン・チーイーの新旧美女。どちらもきれい。かっこいい。男優陣はかすんでいます。緑深い田園風景から砂漠、そしていにしえの中国の都まで、カメラが美しい。
アカデミー賞ノミネート発表

 作品賞候補は

 「ビューティフル・マインド」

 「Gosford Park」

 「In the Bedroom」

 「ロード・オブ・ザ・リング」

 「ムーラン・ルージュ」

 さあ、どうなりますか?


もっと京都

 2001年12月12日の夜、顔見世がはねた後、祇園へ。暗い路地の奥に優しい灯があたたかいいつもの店。毎年観劇の後に訪れてもう10年を超えているので、女将さんも憶えていてくれる。

 彼女も歌舞伎ファンで、この店は中村しかんさん(人間国宝)もご贔屓。3年前にこの店で本人とお会いした時は感激しました。なんせ、さっきまで舞台の上で武家娘を演じておられた女形が粋な着物姿の上品な紳士に変身(?)してはる。にこやかに握手してくださってさらに感激したものでした。

 女将さんは70を超えられても、お元気そう。でも、昨日白内障の手術入院から退院したばかりとか。うちの義母も同じ状態だったので、その話に花が咲く。なまこや湯葉をあてにしっかり飲んでしまう。

 同行の友人が気持ち良く先に酔っ払ってしまって、結局彼を抱えて、木屋町のホテルまで汗をかいて運ぶ羽目に。寒いはずの師走の京の夜は、意外に暖かい思いで(笑)過ごすことができました。

2002年2月14日

 やはりつい見てしまうオリンピック。まさか、フィギアの名手、プルシェンコ、ジャンプのハンナバルト、スピードスケートのウエザースプーンが転ぶなんて・・・。人生一寸先は闇ですね。

 それにしても、始まったらみんな国粋主義者。メダルとその色にこだわってしまう。そこで提案、日本はまだお金があるのだから、受け入れ体勢と、基準を満たしている種目には、どっと若い人を送り込むのです。「参加することに意義がある」という忘れられた建前を思い出して・・・。半分は自腹でも良いじゃないですか?それこそ、いい国際交流になると思うのです。

 ジャンプの新星、スイスのアマンって選手、すごいですね。あの集中力というか、勢いに乗りきっています。でも、まだ20才。これからの人生が大変。札幌五輪の90メートル級(ラージヒルを昔はこう言ったー笑)の優勝者(たしかハンガリーかユーゴ)は、転変の末、アメリカに移住して、タクシーの運転手をしながら、新しい会社を興したとか。

 フィギアの本田クンがんばっています。でも、あの衣装なんとかせえ!「ドンキホーテ」の曲には上着は黒いベストやろ!ヤグディンもプルシェンコも衣装に合わせたメークと手袋をしていた。ビジュアルな競技、その辺でも手を抜いたらあかん!

2002年2月12日

冬季オリンピック開幕。「オリンピックはスポーツを歪めるものだ」などと、普段、言い募りながら、いざ始まると、しっかり見てしまう軟弱な私(笑)。

開会式、50才のリュージュの女子選手がいるのに安心、感動、奮起。

開会式の最後にテーマソングを歌ったのは、ご贔屓リアン・ライムスでした。なんやうれしい。

ジャンプ、ノーマルヒルの金メダルを取ったスイスのシモン・アマンの精神力に脱帽。

好きな競技の男子滑降(ダウンヒル)、あのスピード感はたまりません。カメラワークも毎回向上して、臨場感たっぷり。

 さらに好きなフィギアスケート。今夜行われたペア・フリーはすごい闘いでした。贔屓のロシアペアがすばらしい演技で魅せた後、カナダペアが極め付けの「ラブストーリー」で満場を総立ちにさせる。興奮しました。どちらもベストの演技でしたが、僅差でロシアペアに軍配。細かい動きの美しさ、つなぎのスムーズさで優っていたと思うのですが、カナダペアは昨年から同じプログラムだったのが逆に新鮮さに欠けることになったのではないでしょうか?あまりに、はまった「ラブストーリー」の好評に縛られて、それを捨てられないで、磨き上げてしまった。完成度は高いけど、やはりオリンピックに向けた新作を見たかったというのが私の正直な感想です。美しさのロシア、構成のカナダ、そして力の中国。中国は果敢に4回転のスローイングに挑戦(失敗しましたが)して、拍手を浴びました。

寝不足です。明朝のスピードスケート500Mも見逃せないし・・・。

2002年2月11日

行く人来る人

海老一染太郎さん

 胃がん、70才。太神楽曲芸というそうです。あの明るい笑顔が見られなくなるのは残念ですね。男兄弟のよさを感じさせる(中ではいろいろあったかも)高座でした。

ハロルド・ラッセル

 心臓発作、88才。第2次世界大戦中、爆弾処理で両腕を失ったあと、1946年映画「我等の生涯の最良の年」に傷ついた復員兵役で出演、アカデミー助演男優賞を受賞。昔、何も知らないであの映画を見て、本当に驚きました。演技も見事でした。

マーガレット王女

 子どもの頃、彼女に抱いたイメージは、英国王室のプリンセスとして、雲の上の星のような存在。華やかな美貌、タウンゼント大佐との悲恋。ここまでは、小説の世界そのままで・・・(実際「ローマの休日」のアン王女のモデルと言われた)。その後、カメラマン(後のスノードン卿)との結婚、スキャンダル、離婚あたりから、こちらもオトナになってしまって、生身の気の毒な女性のように思われました。ある作家が「虚構の世界に生きるには正直で賢すぎる女性」と言ってましたが・・・。ダイアナ妃に繋がる、王室の濃い空気に窒息した女性の系譜と言いきるのは短絡的かもしれません。

愛敬投手

 近鉄2年目のルーキー。あちこちでひっぱりだこ。そうです。名前がロイヤルベイビーそのままで・・・。今年の活躍を期待しています。

2002年2月10日

 1月、ショックだったことは、新任教師の頃、お世話になった先生のこと。

 昨年の賀状のご返事に、老齢のため申し訳ないが、来年度から賀状は失礼させていただきたいと印刷されてあり、さびしいなあと思ったのです。長いことお目にかかってないけど、賀状の少ない言葉のやりとりで繋がっているように思っているところがありました。

 今年もあえて賀状をおくりました。三が日をずらし、近況報告を添えて、ご返事無用ですと末尾に書いて・・・。1週間後、息子さんからおたよりが。「昨年4月に亡くなりました。本人の希望で連絡せず、家族だけで葬儀など済ませました。生前のご厚誼を・・・」80代後半ではあられたのですが、昔、四条畷高校でラグビーをやっておられたということで、小柄ながらお元気だったのに。昨年の賀状の段階でもう御病気だったのでしょう。

 無口で、笑顔が素敵で、白衣で、いつも物理の準備室でいろいろ話を聞いてくださったり、アドバイスをしてくださいました。先生らしい去り際だったとも思いますが、やはり寂しい。当時の知り合い何人かに電話したらやはり知らなかったようで、暖かくなったらみんなでお参りに行こうと思っています。寝屋川の淀川が見える小高い丘の上のお家でした。



映画大好き

「私に近い6人の他人」


 1993年のアメリカ映画。6人の他人を通すと全て共通の知人に繋がるという意味でしょうか。

 ニューヨークの美術商を中心とする裕福な中年夫婦のグループと、その周辺を訪れる不思議な魅力を持った黒人青年。自分は俳優シドニー・ポワチエの隠し子で、今度映画の製作に協力する、出演しないかと誘う・・彼の同じような巧妙な語りくちと、その笑顔に引き込まれ、それぞれ寂しい心を開いてゆきます。やがて、だまされたことに気づいても、その少ない被害(数百ドル)と、その笑顔の想い出に彼を憎むことはしません。だが、やがて彼の素顔が見えるとともに悲劇が・・・。

 都会の闇に消えた(拘置所での自殺がほのめかされる)彼を失った美術商の妻は、体裁だけの生活からの自立を決意します。ブレイクする前の若い日のウイル・スミスの魅力が活かされたドラマでした。

「初恋の来た道」

 甘い題名で損をしているような気もしますが。邦題としてはこれでいいのかも。現題は「ロード・ホーム」。死者が我が家に帰る道という意味らしい。中国東北部の寒村を舞台にした美しい映画です。都会に出た主人公が父の葬儀に帰省したところから始まり、モノクロの画面が両親の出会いに溯るとカラーに。翠溢れる山々を捉えるカメラがすばらしい。そこの登場する可憐なヒロイン、チャン・チーイー。

 都会から村に出来る小学校の教員として、赴任してきた若い日の父と、目の不自由な祖母と暮らす村娘の出会いがみずみずしく描かれます。最後に話が現代に戻り、モノクロの画面、街の病院で亡くなった父を、雪の中、村の習慣を復活して、たくさんの人で担いで帰村するシーンに涙が溢れました。さらに、最後にもうひとつ畳み掛けるエピソード。教員の父を持った自分には余計こたえるシーンでした。

 この映画を見て「山の郵便配達」を見ようと決意したのです。今、中国映画のパワーはスゴイ。

 主演のチャンはすごい人気を呼びました。飛びぬけた美人ですが、ちょっと目に険があるなあと思っていましたが、1昨年からハリウッドにも進出。昨年のアカデミー賞授賞式にも大胆なチャイナドレスで出てました。最新作はジャッキー・チェンとの共演の映画「ラッシュアワー」で悪女役。清純なイメージを持っていたファンは意外な役と驚いたようですが、なるほど、自分と同じように思っているプロデューサーがいたのだとうれしくなりました。
 


大阪ええとこ

老松通り。

 画廊や美術商が連なる大阪キタのええとこ。南森町からアメリカ領事館まで歩くのがいいかなあ。あちこち覗いているだけで飽きません。古美術や骨董などおもろいもんが多く、つい欲しくなるので、お金はあまり持って行かないようにしています。


 そこを少し下ると大江ビル。レトロな感じの素敵なビルです。ビルだけでも見て、入ってみる価値あり。その1階に「番画廊」(バンガロウ)という画廊が。さっぱりとした空間で作品が映える。

 1月初旬に井上有一「必死三昧」展が開かれ、行って来ました。必死三昧と書かれた作品7点。これは迫力ありました。書の勢いが画面からはみ出してくるようで。好き嫌いはあるでしょうが、字は本来こんな風に書いて良いのだと思わせられます。作者は小学校の先生。生前は異端視されたのに、死後めきめき評価が高まって・・・というパターン。この時の作品も売り物ですが100万は超えていました。有名な「貧」も何点か・・・。



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