Kan-Kan の雑記帳


2003年10月28日

 中曽根、宮沢両氏の引退は当然でしょうね。年齢で線を引く必要はないけど(73才に根拠があると思えない)、確かに同年配の方に比べたら、元気、しっかりしているとおもうけど、話しぶりに衰えがみえる。なによりもうこれだけ政界にいたのだから、後輩、後継者、若い政治家を育成しておいて、その人に、自分の夢を委ねるべきでしょう。

 でも、ここまで生涯現役にこだわるパワーと体力、気力はすごい。はやく隠居したい(できれば若隠居)といつも言っている私は、やはり小物なんでしょうね(笑)。

映画ダイスキ

 「レジェンド・オブ・ザ・リーグ」

 公開までの宣伝が足らなかったのがちょっと可哀想。ほどほどの娯楽作で気楽に楽しめました。「ブレイド」で好調の若手監督作だけあって、テンポがいい。しかも、19世紀末のアフリカ、ロンドン、ベニスを舞台にというのはそれだけでそそられる。クォーターメン(あのなつかしい「ソロモンの洞窟」のヒーローです)、ネモ艦長、透明人間、ジキル博士、トム・ソーヤー、女吸血鬼、ドリアン・グレイの7名が、20世紀の近代兵器を駆使して世界征服をたくらむM(007の上役ではなく、なんとモリアーティ教授)と対決という荒唐無稽なお話。でも、冒険小説のファンにはたまらない。CGの画面もうまく使われているが、惜しむらくはもう少し世紀末のムードがほしい。そして、もちいと豪華な役者を集めれば、「パイレーツ・オブ・カビリアン」に対抗できたのに・・・。でも、もう続編を意識した結末になってました。

2003年10月27日

 ダイエーの勝ちもよし。広沢の一発もよし。野球シーズンが終わりました。近鉄のローズはどうなるんやろ?堀内巨人に興味はありません。
 マツイは日本一からワールドシリーズ出場へ。世界一になれなくても、最終戦でヤンキースの4番に座ったのです。却って優勝しなくてよかったのかも。20代で世界を極めてはあとがシンドイ。

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「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」

 大作「インタビュー・ウイズ・ザ・ヴァンパイア」の続編は変化球。現代に蘇る主人公クレスタは、トム・クルーズの後をうけた、なんとかタウンゼントというハンサムな新人(たしか「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公を降ろされたハズ)はムードあり。見物は、タイトルロールの、古代より復活するヴァンパイアの女王を演じるアーリアというアフリカ系ロック歌手。人気がブレイクして、この映画に抜擢されてすぐ、航空機事故で亡くなった。まだまだ固くて、アクトレスとしてもこれからの人材でした。映画は彼女に捧げられている。官能的なシーンは期待はずれ。ま、気楽なホラームービーでした。 

2003年10月25日

 ひさびさゆったりした休日。朝マッサージ(200円!)に行って、帰ってゆっくりブランチ。図書館、レンタルビデオと廻って、帰り道に見事な夕焼けに出会う。夕陽はもう落ちていて、早く流れる筋雲がきれいなオレンジ色に染まっている。また、雲の形の陰影が深いので、背景の青空とくっきりしたコントラストを作っていて、テクニカラーの映画のよう。夕空はオレンジ色から朱色に瞬く間に変わってゆく。夕日をじっくりみることもしばらくなかったなあと思う。歩道橋の上で、5分ほど見とれてしまいました。すごい贅沢をした気分。

 星野監督ってきらいです。選手の心理把握、操作、マスコミ対策はうまいのかもしれないけど。特に、選手を鼓舞するためとはいえ、あの審判への抗議の仕方がいやだ。日本シリーズでも何度か、抗議の最後に「ボケ!」と叫んでいるのがわかりました。星野人気におもねているのでしょうか、審判も我慢していたけど、あんなのは即、退場にすべきです。勝負の場でも、いや、たくさんの金や人生の懸った大勝負の舞台だからこそ、余計に最低限のマナーは守るべきだと思います。

 東京でホテル(カフェテリアにいるらしい)に勤めている長男から、電話。「お父さん、今朝、オノヨーコさんが店に来た!」こちらもつい興奮。どんな感じやった?「うん、やっぱしオーラが出てた、元気をもらったような気がする・・・。」まあ、あれくらいの人物になるとむべなるかな。息子には、さんざんビートルズの話などを昔、聴かせたからなあ。しかし、彼は先週、来店した海部元首相には気づかず、後で上司から注意されたそうです。

 今、テレビでエリザベートの話をやっています。19世紀ヨーロッパ一の美貌を謳われた彼女。身長172センチ、体重50キロ、ウエスト50センチ(!)だったそうです。ミルクダイエットをしていたんですって。


往く人来る人

 福田一郎さん(2003年9月4日、肝不全 78才)

 青春時代、ラジオから流れてくる、ロック、ポップスのDJ、そして、解説。やわらかくいい声。単なる曲紹介でなく、最新のアメリカ文化を教わったような感じがありました。「モーニング娘。」にも関わっていたのですね。いつまでも、若い感覚を持ち続けたかっこいいおじさんでした。

 宋美齢(2003年10月23日、肺炎 106才?)

 蒋介石夫人。あの「宋家の3姉妹」がこれでとうとう姿を消しました。20世紀でもっとも有名な、そして国際的に歴史的に数奇な運命を辿った姉妹だったといえますね。
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「チャーリーズエンジェル」

 今年第2作が公開されましたが、第2作をやっと見ました。昔のテレビ版の美女揃いのイメージが強いけれど、映画版の3人娘はもうキャラもスタイルもバラバラ。一応グラマーゴージャス系のキャメロン・ディアス、コケティッシュなドリュー・バリモア、知的なルーシー・リューという分担になっているのでしょう。プロデュースも兼ねたドリューが束ねているのでしょうね。ま、気軽に楽しめる、うまく作った娯楽作です。

「ビューティフルマインド」

 実在の天才数学者、ノーベル賞受賞者でもあるジョン・ナッシュの人生を凝った演出で描いた佳作。天才独特の偏狭さ、自尊心の高さから、精神の均衡を乱してゆく若い彼の苦悩と彼を支えた妻の献身が手際よく描かれる。主演のラッセル・クローは「グラディエーター」よりこちらの方が名演です。妻役のジェニファー・コネリーはこれでオスカー助演賞受賞、トップスターに返り咲きました。主人公の錯乱を映像の利点をうまくつかった描写の連続で描き、幻惑させてくれます。「シックス・センス」に似ている部分も。

「キューティブロンド」

 映画雑誌で見る限り、格別美女とも思わないけど、メグ・ライアンに代わる「ロマコメの新女王」として、今、アメリカで絶大の人気を誇るという、リース・ウェザースプーン。彼女がブレイクした作品として気になっていました。もうすぐ続編も来るらしい。ちょっとおつむの薄い美女のように扱われやすいブロンドを逆手に取って、上昇志向の強い、何事にも前向きな可愛い女の子が、3高の御曹司に振られたことを契機に、ムキになってがんばり、ハーバード大に入り、弁護士として社会的成功をおさめるというファンタジー。ご都合主義の話だけど、軽快なテンポでうまく作っていて飽きさせない。なによりピンクであふれかえるファッション、小道具、ペット(チワワです)で見せる。制作者の「鼻持ちならないキャラクターを肯定的に描き、女性の共感を集める作戦」の企画力と、その難しい人物造型をやすやすとやり遂げたように見えるリースの力は確かに大したものです。
  

2003年10月21日

 この間まで、暑い日差しを避けて、通勤していたのに、今は暖かい日向を探して走っています。季節は急ぎ足で秋本番へ。

 先週はわれわれ夫婦の誕生日ウィークでした。同じ誕生日の夫婦も珍しい(?)。それで、まず二人でお祝いをと、見つけたバースデー割引のホテルへ。りんくうタウンの全日空ゲートタワーホテルが、創業7周年記念とかで10月、11月の誕生日を持つ利用客に年齢割引をしているのです。それで、二人とも50パーセント引きということに。80才の両親なら80パーセント、100才の嫁ハンのおばあちゃんを連れてきたらどうなるんやろ?やはりタダかなあ?

 49階のスタンダードダブルに安い値で泊まれることになりました。ケチな夫婦はコンビニで酒とビールとあてを買い込み、すばらしい泉州の夜景を眺めながらひたすら宴会。部屋はシンプルでしたが、ベットが広く、気持ちいい。朝方の豪雨も雷も知らずに爆睡してました。これが誕生日前の土、日曜日。

 誕生日当日は、行きつけの飲み屋の常連さんが祝ってくれる。翌日は職場の仲間たちと誕生会という具合に飲み続け、寒い中、酔い覚めにビールなど飲んで、風邪を引いて・・・例によって週末は反省の日々でした。

2003年10月14日

 たまの休肝日、秋の夜は「熱湯玉露」をおいしくいただく。玉露はぬるいお湯でと思いこんでいましたが、熱いのもいけます。上等のカリントウが少しあれば最高。

 ほんとは新酒がおいしい季節なのに。悲しい知らせ。通勤路にある、羽曳野唯一の造り酒屋、「近つ飛鳥」翁酒造。10月のはじめに店先に張り紙が見えた。いやな予感がしたのです。あたらめてHPで確認すると、「9月30日で、諸般の事情により廃業いたしました」とのこと。ショックでした。経営者がころころ変わるコンビニとか居酒屋でなく、200年近く続いてきた地場産業というより、文化なのですから。

 蔵見学や利き酒会をしたり、企業努力もしっかりしていたのに、日本酒の高級化を志向して、大吟醸などを造ることに力を入れたのが裏目に出たのではと思います。バブルが弾け、世間は高級酒より焼酎などをどんどん飲みはじめました。私も及ばずながら、会員で、クーポンも貯めていたのに。

 それにしても、あの広い蔵や屋敷はどうなるのだろう?羽曳野市は歴史的建造物「銀屋」を見殺しにして潰したばかり。(跡地には20数軒の新築が・・・)あの蔵と屋敷は所有者と相談して、市の文化財として、何とか残してほしいものです。

2003年10月12日

 この年になって気づいたこと。

 マンションなどのエレベーターは利用階で降りた後、1階に降ろしておげるのがマナーなんですね。友人のマンションで一緒に訪問した若い友人がそうしているのを見て、初めて気付きました。

 冷蔵庫からビールを出そうとするときに、あれない!と悲鳴を上げることがままあります。それで気付いた。出す時に、次の冷やす1本を入れればいいのです。こんな簡単な道理、なんで今まで気づかなかったのだろう?

そして神戸

 秋の一日、町内の秋の慰安旅行で神戸へ。ご町内のみなさんの集合が早く、予定より10分ずつバスが早めに出発したお陰で、行き帰りとも、事故渋滞を避けることができて、スムースな行程の一日になりました。

 8時50分出発、10時過ぎに神戸到着。「モザイク」から周遊船、「コンチェルト」でランチクルーズ。周富徳さんプロデュースとやらの中華バイキングで腹一杯。でも、飲み放題でないのがさびしい。オプションでビール2本で我慢。船は立派、でもピアノ、フルートの生演奏はイマイチ。海は静か。明石大橋を眺めてターンして1時間半の船旅。普段お付き合いのない町内の方達ともお話しできてよかった。

 モザイクとその周辺は、すっかり震災から復興して、以前のようなおしゃれな雰囲気の町並みになっている。ちょっとした、装飾や花壇、店の飾り付けが気が利いている。さすが神戸。煉瓦倉庫を改装した居酒屋や結婚式場(挙式の最中。早速、花嫁ウォッチング)美しい並木道、その傍の運河には自衛隊の潜水艦の黒く巨大な姿が・・・。

 「モザイク」の雑貨店は品揃えが多くて、嫁ハンは釘付け。500円のショールやチーフを買う。3時再集合で、4時過ぎには地元に到着、解散。これで参加費2、500円は安い!

2003年10月10日

 「キウイ」ってニュージーランドの鳥の名前だったのですね。実がその鳥の形に似ているので、「キウイフルーツ」の名前が付いたんだ。ヘエーエエエエ!(トリビアが流行っています)

 13夜も今夜の満月も大和川の堤で。ワンカップ片手に酒の好きな友人と。安上がりで、しかも見晴らし絶好。ジャコビニ流星群は見えませんでしたけど・・・。

 5日の朝は、酒を飲まない友人と水越峠でモーニング。テーブル持ち込み、「祈りの滝」そばの湧き水でコーヒー、紅茶を入れて、朝仕入れたパンたっぷりと果物は20世紀梨。せせらぎの音、鱗雲が流れる青空、澄んだ空気。ススキの原。でも針葉樹林が多いせいか、鳥の鳴き声が少ないのが残念。それに日が高くなると、湧き水を汲みに訪れた客が列をなしてきたのはがっかり。小型トラックでポリタンク10数個持ち込む人がいるんやから・・・。

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「千と千尋の神隠し」

 今頃やっと見ました。アニメとしては世界最高水準にあるのだろう。でも、こころ揺さぶるものがありません。テーマが前に出すぎた「もののけ姫」、今度は引き気味。主人公の成長の過程が見えないのです。

「ダイアナザーデイ」

 007の最新作は20作目の記念で、過去の作品へのオマージュもふんだんに盛り込んだ娯楽大作。こりゃ北朝鮮が怒るやろなあと思う作りですが、強引に押し切ってしまう。ピアーズ・ブロスナンのボンドも板に付いて、今回はボンドガールも豪華、ハリー・ベリーの扮する米諜報員「ジンクス」は、これで新しい作品ができるという話。第1作でヒロイン、アーシュラ・アンドレスが身につけていたのと同じデザインの黄色いビキニがめちゃ似合う。でも、個人的には殺されてしまう悪役の美女が好みです。主題歌を歌っているマドンナが特別出演しているのでびっくり。

「戦場のピアニスト」

 ポーランド出身のロマン・ポランスキーが、実話を元に、ナチス占領下のワルシャワの地獄を生き抜いたユダヤ人ピアニストを、入魂の演出で描いた力作(アカデミー監督賞受賞)。その経歴から見て、思い入れが強くても当然なのに、演出にセンチメンタルなところがなく、淡々と、しかし丁寧に、過不足なくナチスの非道をえぐり出す。戦争の非人間性だけでなく、戦争の中で露わにされる敵味方を超えた、人間の強さ、弱さもきっちり描く。音楽への希求の思いも。その分、主人公が音楽を愛するナチスの将校に救われるという意外な終末が生きてくる。演技陣(特に主演俳優ー20キロ減量して、ピアノの特訓したらしいーアカデミー主演男優賞受賞)も見事です。ショパンの曲も演奏も聴きもの。

2003年10月5日

「名セリフの力」 葛西聖司

 山川静夫さんが退職して、現在NHKで古典芸能に関しては随一のアナウンサーがこの人でしょう。歌舞伎、新派などの名セリフ30余りを解説、紹介してる。舞台に対する愛情はわかるけど、文章作法通りの文章が単調で、やや退屈。個人的には「雪暮夜入谷畦道」(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)の直次郎の「天で一本つけてくんねえ」なんてセリフをいい役者でじっくり聞きたい。寒い夜に蕎麦屋に駆け込んで、「天ざるで熱燗1本!」なんて、いいよなあ。

「サロメの乳母の話」塩野七生

 イタリアにどっぷり浸かっている作者の12話からなる歴史ファンタジー。オデュッセウスの妻、キリストの弟、カリギュラ帝の愛馬といったユニークな視点から見た歴史と人物の一側面。読ませる。

「寂聴美の宴」瀬戸内寂聴

 出家してもいい意味でミーハーというかきれいなもの大好きという作者の出会ったたくさんの美しいもの。絵、陶芸、着物、惚れた作品の作者にすぐ弟子入りして、かじってみるという姿勢も、あちらは迷惑だろうけど、おもしろい。もう着ることのない着物への思いも深い。

「この惑星(ほし)の上を歩こう」 鷺沢 めぐむ

 憑かれたように旅をしてしまう人、定住できない人かもしれない。あちこち歩いて、失敗を重ねて、世界を身をもって知ってゆく。世界の人々の違い、習慣、言葉による行き違い、人々の間に残る偏見、差別。それらをユーモアを交えて描くエッセイ。でも、自虐的すぎて、ちょっと引くところも。大阪でしばらく暮らしたらとこの作家にアドヴァイスしたい。


「絶対温度」  さだまさし

 7年前のベストセラーになったエッセイ。読みやすくおもしろい。名曲「風に立つライオン」のモデルは宮崎の柴田さんという医者で、死んだ患者さんの通夜に行って、遺族にどなられたりする人らしい。彼の口癖は、「病気を治すのは医者ではない、患者と神様。医者はその邪魔をしないようにするのが仕事」。深いなあ。

 井伏鱒二に山椒魚の結末が寂しいから、書き直そうかと打ち明けられた話。

 筆者自身はバイオリンの道を断念したこと、映画長江での20億の借金というふたつの挫折がいまの自分を作ったことを素直に綴っていて、好感が持てる。



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