2003年12月31日
想像を絶する被害のイランの大地震。亡き母の胸で生き残った幼児。そして、カナリアの声で掘り進めて、傍にいた2名の子供が救われたとか。こういう時にこそどんどん救援隊を送るべし。大変な年の瀬です。世界的には激動、混乱の一年でしたね。
28日から故郷に帰ってきました。31日の早朝帰阪。餅つき、掃除、正月の飾り付けなどとり急ぎ済ませて来ましたが、それぞれの行事で年々老父母が衰えて行くのを実感する歳末でした。
個人的にはあらゆる面で楽しく恵まれた2003年でした。特にくじ運に強く、この欄では書きそびれましたが、ボジョレー・ヌーボの会の抽選で夫婦共々ワインが当たったり、年末も話題の「ミシェル・バイヨン」の観賞券が当たって、なんやうれしいけど、そらおそろしい気分で年が暮れます。もちろん宝くじが外れたのでちょっと安心ですが・・・(笑)。
故郷からの土産が家に入りきらない(笑)。米をはじめ、ミカン、すだち、レモン、シシトウ、ピーマン、さつまいも、じゃがいも、ぐち(小魚)、白菜、キャベツ、鷹の爪、地酒、お菓子・・・。ご近所から、近隣の友人に配りまくっています。みんな両親が用意してくれていました。ありがたいものです。二人とも83才ですから、いつかの別れの時を覚悟しつつ、一日も永く生きてほしいと改めて念じています。
昨年の今頃は姉夫婦と中国、楽山にいました。今年は家族3人(東京の息子は仕事)で鍋を囲んでいます。みなさま、よいお年を。
最近読んだ本
「銀幕のインテリア」 渡辺武信
映画をそのインテリアから論じた大作。玄関、居間、キッチン、テラス、暖炉、書斎、寝室というように、インテリアのジャンル別にして、映画のワンシーンを挿入しつつ、丁寧に映画美術を論じる、こんな本を待っていた。ヨーロッパ、日本映画はもちろん、おおざっぱといわれるアメリカ映画も、緻密な画面作りをしているのだ、映画は総合芸術なんだとあらためて実感。個人的には、足置きの付いた「イームズ・チェア」が欲しいと思いました。
2003年12月25日
クリスマスイブは恒例のパーティを藤井寺のスナックで。
何年か前に、もう暗くなった時分にサンタクロースの格好でママチャリに乗って、藤井寺に向かって走っていると、どこかの家の生け垣の向こうの窓が開いて、「お母さん!もうサンタさんが来てくれたよ!」という小さな男の子の声が。きっと窓から外を見て待っていたんだろう。慌ててブレーキを踏んで引き返し、「サンタさんはこれからお買い物に行くからね。いい子にして寝てなさいよ。」と声を掛けて、お母さんが来る前に逃げ出しました。あれから、ややこしい格好は止めました。
昨夜のパーティでは、カラオケで一年ぶりに「安奈」を歌い、友人は定番の「クリスマスイブ」を歌って盛り上がる。でも次に私は「ハッピークリスマス」は失敗しました。タイミングが合った歌なのに・・・。むつかしい。同席の人になぜwaris
overという歌詞が入るのかと訊かれました。最後は「見上げてごらん夜の星を」。あたたかいイブの夜。騒ぎまくったので、シャンパンとワインと日本酒と焼酎をちゃんぽんにした割には、今朝の目覚めスッキリでした。
師走の京都 B
顔見世の翌朝目覚めると、東山は雪景色。これはラッキーと予定を変更して、金閣寺に向かう。ちょうど、全国高校駅伝と重なって、北大路は人がいっぱい。バスから降りてすぐ、毎日新聞の人から応援旗を渡されて、にわか沿道応援団に変身。全国からたくさんの人が応援に集まってきている。若い人から白石高校という旗も渡される。どこの県?と訊くと「佐賀県です」という元気な答え。旗が野菜のデザインなので農業高校?と問うと、いえ、畑の中にあるのでという楽しい答え。白石高校応援団にまた変身。駅伝は速い。特に男子はあっという間に走りすぎる。先頭4名は外国の若者。警備の警察官も日本人がいませんねえと笑っていました。大阪は大塚高校、故郷愛媛は三瓶高校が走っていました。
金閣寺はその応援団の流れもあって、すごい混雑。でも薄く雪を被った建物は鏡湖池に映えて、見事なものでした。北野天満宮に廻ってみる。気の早い梅が数輪もう咲いている。上七軒の花街は祇園に比べて、大分寂れてきた感じですが、でもそれがまたなんとも風情あり。歌舞練場もひっそりと閉まっていました。ここの「北野おどり」は一度見てみたい。
千本釈迦堂でおたふくさんと快慶の仏像を見て、この日はおしまい。まだあちこちに紅葉が残って、晩秋の風情の京の師走でした。
2003年12月23日
やっと冬至を過ぎました。
22日、行きつけの居酒屋でカボチャの煮物、家に帰ったらカボチャの天ぷらが待ってました。冬至のもひとつの風物詩、柚湯には今年は入れなかったけど、これから日が長くなると思うと、ほんとに寒がりの自分にはうれしい季節の節目の実感があります。もっとも、これからまだ寒くなるのですが・・・。
「三合の酒飲んで今日冬至かな」 六輔
ところで「かぼちゃ」=「南瓜」の語源は「カンボジア」なんですね。まさに東南アジア産なわけです。
師走の京A
京都駅に着いたのが9時52分、10時の伊勢丹の開店を待って、デパ地下で弁当を買い、タクシーで南座へ。10時20分。まっすぐ3階席へ。座ってすぐに「き」の音が入る。心ときめく時間。第2幕が終わって、やっと番付(パンフレット)と、来年のカレンダー(坂東玉三郎)を入手。迫力の後半2幕を見て、午後3時過ぎにはねて、鴨川のほとりでユリカモメを眺めて酒を更に飲み、旅館に向かう。東山を望む部屋からは雪を薄く被った祇園閣が目の前に見える。明日が楽しみ。入浴、夕食の後、祇園のいつもの店に。路地は毎度のことながら、きれいに掃き清められている。老女将はいつもよりあでやかなお召し物。12時まで飲んで、ちらつく雪の中を旅館に帰る。近年酔うと必ず足元があぶなく、私がおぶっていた友人も、今年は健在。寒いけど、心浮き立つ京都の第一日でした。
平成15年「顔見世」
昼の部 第1幕
「曽我物語」 時間も内容も半端な一幕。最近は片岡我當が中心になっているけど、扱いが軽くて気の毒。弟の仁左右衛門が華やかなだけに余計にそう感じます。岡本綺堂の新歌舞伎で、曾我兄弟(十郎、五郎)の弟と異父兄の物語。仇討ち前の裏話だけど、展開が不自然で、演技のしどころもなく、友人は一言、「学芸会やね」。今年の顔見世の滑り出しはイマイチでした。
2003年12月21日
先日書いた山茶花の記事。ピンクの花と書いたのは「ししがしら」という山茶花によく似た、椿の一種とのことです。背丈が伸びず、剪定もしやすいので、生け垣に適し、近年かなり拡がっているようです。今回の京都行きでもあちこちでよく見かけました。
師走の京都@
20日、年一回の大きな贅沢、「顔見世と京一泊二日の旅」です。いつのまにか20回目。今年は歌舞伎400年ですからほんの5パーセントだけ噛んでいることになるのかな。朝8時55分の橿原神宮発の特急に乗った時は快晴だったのに、西大寺を過ぎて、早速一杯やり始めた頃、景色が白くなる。京は雪らしい。
2003年12月16日
タカラヅカフォーエバー
「薔薇の封印」
友人がチケットを取ってくれて、久々のタカラヅカです。紫吹淳のサヨナラ公演、「薔薇の封印」。個性派のトップスターだった彼女にふさわしい、妖しく美しく、ダンスをたっぷり見せる構成。とにかく、彼女の立ち姿が抜群に美しい。しなやかで、顔が小さく、手足が長い。ドラキュラ伝説とタイムトラベルを組み合わせて、4話を手際よくまとめています。ピンク、紫、黒をメインカラーにした豪華で目をあざむくばかりのロケット(ラインダンス)のついたフィナーレもお約束通り。目のご馳走でした。 |
往く人 来る人
デビット・ヘミングス(12月4日、心臓麻痺 62才) イギリス俳優。ルーマニアロケ中に倒れる。37年前(私は高校生)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」で鮮やかな印象を残した美男スター。近年は監督も手がけて、まだまだこれからの人材だったのに・・・。 バーブ・佐竹 (12月5日、多臓器不全 68才) 「女心の歌」はなぜかフルコーラス歌詞を憶えていた。あのころ私は中学生。記憶力もあったし、息の長い大ヒットだったんだ。3番の「酒が言わせた言葉だと、なんでいまさら言えるのよ」などと今でもすらっと口をついて出るのが怖い。今は何度聞いても憶えられません。 |
2003年12月11日
この雨を「山茶花梅雨」というのですね。山茶花はピンクより、赤や白が好きです。「山茶花や
嫁ぐ人あり 夕べの灯」。小学校の友人のご主人(自衛隊員)もイラクに行くことになるそうです。
最近読んだ本
「大人のための映画選び」 井上 一馬
ジャンル別にお薦め作品を紹介。ちょっとお節介。
「日本の女優」 四方田 犬彦
山口淑子(李 香蘭)と原節子を取り上げて、戦前、戦中、戦後を生きた日本の代表的女優の生き方と業績を分析する。二人は同年生れ。それにしても、なんと対照的なありかた。
「ヴィスコンティ」 若葉 薫
「文豪」といえば谷崎潤一郎、映画の「巨匠」といえばこの人が浮かぶのは何故だろう。その生れ、作風、生きる姿勢、財力・・・。成功、失敗作にかかわらず、いつも圧倒する力がある。作家論としてまだまだ甘いし、リサーチ不足だが、相手が相手だから仕方ないでしょう。「あんたには20年早いわ」というところ。
2003年12月10日
「にくじゃが」がおいしい季節。今夜のじゃがいもは変と思ったら、大きさも色も味も違う。「レッド・アンデス」そして「インカの目覚め」というらしい。いろいろ面白いものが出回ってくるのですね。
6日の土曜日。8日からの個展(友人の彫刻家、堀信二さん)の搬入の手伝いに。女性像の首や手足を毛布でくるんで、雨の中、トラックで運ぶ。なにやら犯罪に加担しているような変な気分。ほこりだらけのアトリエから画廊に運んで、セット、ライトを当てると、作品は別物のように生き生きと立ち上がってくる。今まで出来上がったものを見てきましたから、このように過程を見ることができたのは、新鮮な体験でした。
7日の日曜は、朝、座禅。寺の山茶花が美しい。その後、教え子の出演している舞台を見に、夕陽丘のクレオへ。「伊圓崗家(いまるおかけ)の一日」。天満橋鉄筋コンクリートという劇団の公演でこれはシリーズ化されており、その3作目。今回は女優の大沢逸美さんもゲスト出演していて、さすがにきれいでした。教え子もこれを最後に退団。演劇の勉強に東京へ出てゆくとのこと。若いから、いろいろ挑戦するのはいいけれど、大変だろうなあ。
8日、いよいよ堀さんの個展のオープニングパーティ。狭い画廊に30名を超す人が集まる。ドンペリで乾杯。堀さんはテーブルの傍で、私はイスの上に立って挨拶。場所を変えて、2次会。これも盛り上がる。もちろん午前様。翌日2日酔い。でも、彫刻っておもしろい。ご興味のある方は、「茶屋町画廊」(阪急梅田より北東へ徒歩3分、ロフト横)までどうぞ。13日午後5時までです。