2004年10月26日
急に冷え込んできました。新潟の山間部では雪が降るとか。人々はもちろん心配ですが、避難された後の山村の家畜や鯉(錦鯉の産地とか)ペット達はどうしているのでしょう?餌をやる人もいないのですから・・・。
お問い合わせ、反響があったので、補足します。「情報が出入りしにくい」というのは、まず山村ではラジオの電波も入りにくいのです。携帯電話も谷間の村は圏外になります。(私は実家に帰ると、ちょっと歩いて、家の前の山から携帯メールなど送っていました。)電線、電話線が切れた段階で全く、陸の孤島になってしまうわけです。(あ、孤島ならまだ携帯が通じる)
いろいろな面で阪神淡路大震災の教訓が充分活きていないようで気になります。寒さに向かう中、二次災害や、ストレスによる被害者が更に増えないような対応が急務です。
以下の文章は1週間前に書いておいたものです。
町内会の親睦旅行で17日、USJに行きました。長年町内会館の建設に備えて貯金していたのが、隣接して出来た高層マンションの付属施設で会館が出来、お陰でここんとこ我が町内会計は潤っており、毎年豪勢な旅行をし、(昨年は神戸からコンチェルトで内海クルーズ)今年はひとり千円でバス送迎付きのUSJツアーとなったわけです。
USJは時節柄、ハロウィン一色。パレードや飾りつけも面白く、
話題のスパイダーマンやターミネイターは見られなかった(2時間待ち)けれど、あとは結構廻って、街の風情も楽しめました。(嫁ハンがスヌーピーグッズの買い物に嵌ったのは計算外でしたが)。
パレードやアトラクションを見て、日本人もこういう参加型の催しを楽しむのがうまくなったと思いました。恥ずかしがらず、乗ってゆく、踊る、叫ぶことができるのはある面、ええことやと思います。
それにしてもたくさんの人。そして毎日がカーニバルの場所。秋祭りが一段落しましたが、こんなに「ハレ」(非日常)の日があることはいいのだろうか?ながい「ケ」(日常)の積み重ねの上にあってこその「祭」なのではないだろうか?毎日仕事として出勤するキャストやスタッフはどのようにテンションを維持してゆくのか、人事ながら心配してしましました。
最近読んだ本
「義血侠血」(ぎけつきょうけつ)泉鏡花
劇団新派の名作舞台「滝の白糸」(初代水谷八重子さんが美しかった!)の原作。鏡花の師匠、二葉亭四迷の手が入っていると言われているが、独特の隠微なムードは鏡花のもの。高山、金沢を舞台に、水芸の美しい女芸人「白糸」が、ふと見初めた法家志望の若者を世間に出すため、彼の母を養い、ひたすら東京に仕送りをし、やがては犯罪を起こす羽目になる。そして法廷で恋しい若者と裁くもの裁かれるものの立場で運命の再会をする悲劇。
荒唐無稽な話だけれど、それだけに男女の愛の普遍性が強調される不思議。古風な独特の言葉遣いにきちんとルビがふられた文庫本(岩波)の存在がありがたい。
2004年10月24日
山古志村
地震で孤立した村が心配です。阪神大震災の貴重な教訓を活かさなくてはなりません。マスコミのヘリコプターが上空を旋回ばかりしていてはいけません。あの時も、10社を超える各マスコミのヘリの爆音がうるさくて、瓦礫の下の助けを呼ぶ声も聞こえなかったのです。見ていてイライラします。その分、救援物資を積んだヘリを飛ばして、毛布や食料を投下することもできるはず。報道は連携してヘリコプターを減らし、救援を優先すべきです。陸上自衛隊のヘリも今こそ活用すべきです。レンジャー部隊も。
30年近く前の、故郷、愛媛の台風による大災害の時、やはり、田舎の小さな村は孤立しました。川が氾濫して、村に入る道が流されたのです。今治で友人の車を借りて、食料などを買い込み、村の手前で車を乗り捨て、荷物をリュックに背負って山を歩いて超えました。父が怪我で入院、母は付き添い、当時88歳の祖母がひとりで気丈に電気のつかない家を守っていました。荷物を村のみんなで分けました。小さな村ほど、情報が出ず入らず、救援の手も届きません。
山古志村の更に奥の小さな集落こそ心配です。
2004年10月15日
14日嫁ハン出演のライブを聞きに、北浜「アイル・モレ・コタ」へ。目の下の中ノ島バラ園が気になり、休憩時間に抜けて、ローソンでビールとつまみを買い、人気のないバラ園に。香りがほのかに漂い、街灯に浮き上がった白バラが見事でした。
我々夫婦の誕生日が一緒なので、今年は息子たちの進路も落ち着きそうだし、ちょっと贅沢な誕生祝いを決意。といっても、けちな二人のことインターネットで探して、リーガロイヤルホテルの半額近いツインルームをゲット。市内の串カツでたっぷり飲んで食って梅田からシャトルバスでたどり着くと9時。着替えているとノックがあって、フロントです、今頃なんやろとドアを開けると、ケーキを載せたワゴンを押したフロントマンが満面の笑顔でお誕生日おめでとうございます。え、なんで知ってはるの?と問うと、息子様達から言付かっております。ローソクにミニバラの生花、メッセージが添えられている。ろくに行く先も告げずに出てきたので、うれしい驚きでした。二人とも頼りないけど、ちょっぴり大人になってきたのかも知れません。でも、おなか一杯で、あまりケーキが食べられなかったのが残念。
朝食は地下1階「なだ万」で。迷わずおかゆコースを注文。さっぱりとして、酒でもたれた胃には質、量ともに快適。この朝食がついて一人8000円は安いと思います。部屋に帰って、昨夜のケーキの残りを平らげてもうひと眠り。バスで今度は淀屋橋に着いたついでに、またバラ園へ。今度はピンクと黄色のバラが目を引きました。
最近読んだ本
「燃えよ剣」 司馬遼太郎
大河ドラマも見ていないけれど、幕末にはイマイチ暗かったのです。これを読んでかなり整理できました。近藤勇と共に新撰組を率いた土方歳三のドラマチックな人生を描いた長編。内容が豊富、多彩なので短く感じます。
作者は思い入れしすぎない程度に、でもかなりの理解、共感をもって、時代に逆行した男を描きます。あえて政治に背を向け、戦いに生きた男。武州多摩から京に上り、池田屋、鳥羽伏見の戦いを経て、函館五稜郭の近くで討ち死にするまで、前にしか倒れない(でも勝てない喧嘩での逃げ足は速い)かたくなな男。沖田総司は魅力的に、近藤勇はやや突き放して描かれます。坂本竜馬は名前が掠めるだけ。
実は長編「竜馬が行く」と並行して書かれた作品なのだそうです。作者30代末から40代のアブラの乗り切った仕事振りです。
2004年10月12日
芸術の秋。藤井寺市民会館へ書道展を見に。今年は黄山市との書画交流展も兼ねている。見るときによって字よりも語句の意味に囚われることが多いのが困ります。
毎年楽しみにしている「花と緑の彫刻展」は今年はうつぼ公園を離れて、港区の八幡屋公園へ。こちらの公園の方が芝が広く、木々が小さい分だけ、ひろびろと感じられ、彫刻にはマッチしているみたい。友人の彫刻家、堀信二の今回の作品は、黒い地の幅のある板の両面に、女性の白い胸と足、それに赤いハイヒール。夕闇の芝生中央に浮かぶと異様な迫力。ちょっと最近ますますエロティックになってきているみたい。友達が悪いのかしら。
行楽の秋。淡路へ。津名郡五色町へ。風力発電の風車が廻る海沿いの町。「菜の花の沖」で知られる高田屋嘉兵衛の故郷。「瀬戸内少年野球団」の舞台でもあります。「ウェルネスパーク」という公共施設があり、温泉、テニスコート、宿泊施設が充実。食事は淡路牛と「菜の花ビール」。台風一過の青空と吹き渡る風が気持ちよく、すっかりリフレッシュ出来ました。
往く人 来る人
クリストファー・リーブ(俳優 心臓麻痺、52歳)
スーパーマン役で知られ、落馬で頚椎損傷後は車椅子でのリハビリそしてカムバックとドラマチックな人生でした。スーパーマンばかり強調されますが、舞台でも実績があり、映画「ある日どこかで」は忘れられない佳作です。優れた容姿、体格以上に内面の磨かれた俳優でした。女優であった奥さんのファンへの感謝の言葉もよかったけれど、母親の「これで息子はチューブから解放されます」というコメントが胸を衝きます。
ジャネット・リー(映画女優)
「サイコ」のシャワーシーンだけでも映画史には残ります。カーテン越しにナイフで惨殺される役。白黒映画なのに、排水溝に吸い込まれる血の色まで感じさせられました。どこか寂しげな雰囲気を持った女性でした。死因は不明。
2004年10月3日
金曜夕刻のラッシュ時。地下鉄駅の構内で何人かの人がわらわらと向かいのホームに停車中の電車のあるドアに駆け寄ってゆく。何事かと思って見ると、電動車椅子を電車から降ろそうとしている様子。電動のものは重いのですね。駅員が見当たらなかった所を見ると、連絡ミスか、降車予定の駅と違う所で降りようとされたのかもしれません。発車ベルが鳴ったので気付いた近くの人が集まったらしい。高校生らしき若者もいる。あっという間の出来事で、人は散っていったけど、気持ちいい光景でした。
イチロー選手って体脂肪6〜7パーセントなんですって。(ちなみに私は本日21パーセント)チームメートのだれよりも早く球場入りしてマッサージ、ストレッチを始める。その自己管理がすごい。
「人は必ず障害に出会う。誰もが負けそうになる。そこで頑張れる人間になりたい。前向きな姿勢で夢を持って歩いて行きたい」1997年正月、神戸市内の仮設住宅20個所に配られたイチロー直筆のメッセージ。平凡な言葉でも、それを実行する人の言葉には重みがあります。
それにしても、イチローも中田ヒデも世界的プレーヤーなのに、マスコミに背を向けている印象が強い。あらぬ報道に傷ついて不信感を持っているのでしょうか?マツイ選手は例外なのかなあ。ちょっと寂しい気もします。
最近読んだ本(10月3日)
「帰り道は遠かった」黒川博行
元府立高校美術教師、羽曳野在住のベテランサスペンス作家はコンスタントです。サントリーミステリー大賞を受賞した「キャッツアイころがった」以来の人気コンビ、大阪府警捜査一課の黒マメコンビの活躍するミニシリーズで今回も楽しませてくれます。軽妙な掛け合い、魅力的な人物造型(周囲の人物がやや類型的ですが…)で、悲惨な事件にも大阪特有のユーモアとペーソスが漂います。古市、岸和田という全国区ではないが親しい地名が出てくるだけでうれしくなります。
「九月の4分の一」 大崎善生
おそらく自分の青春時代を回顧しそれをモチーフにしての恋愛小説をもくろんだのでしょう。パリ、ブリュッセルを舞台に若い旅行者の出会いと別れ。出会いは「世界で一番美しい広場」グランプラス。バックミージックはアバ。「今度は九月4日で会いましょう」という彼女の残した手紙が微妙なすれ違いをうんでしまう。おしゃれな青春小説に仕上がってしまった分、感銘は薄れて行きます。美化しすぎ。青春はもっとどろどろしたものでしょう。