Kan-Kan の雑記帳


2006年11月30日

 信念を持って、党の方針に反対したのなら、離党して、それを貫いて、新党でも作ればいいのに・・・。結局は信念を曲げ、プライドを捨て、前言を翻し・・・大樹に寄りかかることで、金と権力が欲しいのですね。

 住井すゑさんなら、男だから仕方がないね(女性もいるけど)と笑うのでしょうか?住井さんは政治なんてもんは、男にでもやらしておくしかしょうがないと突き放していました。


橋本五郎さんのコラムから

 英雄カエサルは美男でなはない。40代から頭が後退していた(ドキ!)。でも、モテた(ホッ)。暗殺の首謀者ブルータルの母親も再婚話を断って、カエサルの愛人になる道を選んだ。(菅注、それも暗殺の一因?)

 モテた理由を塩野七生さんが明快に分析。曰く

1 莫大な借金をしても、女性に貢ぐ
2 愛人の存在を誰にも隠さない
3 どの女性とも手を切らない

 塩野さん「女は無視されるのがなにより傷つく」

 カエサルは女性のプライドの高さ、怖さをよく知っていたのですね。

2006年11月29日

 毎日虐待のニュースに顔をしかめていたら、今日は恐怖で歪みました。アメリカで幼児を電子レンジで殺した親のニュース。もう、言葉もありません。

 殺すなら始めから子供を作らなければいいのに・・・。でも、最近も避妊もしない若い子が多いのに驚かされます。なんでや?と訊くと、面倒くさいとか、彼がいやがるとか・・・。意見する気力も失せます。

 今日の読売の「寸評」は河野裕子さんの歌を引いています。

 しっかりと 飯を食わせて陽にあてし ふとんにくるみて 寝かす仕合わせ

 親になる覚悟がないまま親になるから、子育ての苦労ばかりを感じるのでしょうね。

 でも、今夕、激務に疲れ果てて帰って来て、用意した飯も食べないで寝てしまったうちの息子。これも複雑な気分です(苦笑)。


いくつになってもミーハー

 ハリウッドの人気カップル、リース・ウィザースプーンとライアン・フィリップがついに離婚。

 若手人気スター同士の華やかな結婚だったのに、妻があまりにビッグになってしまった。「キューティ・ブロンド」で当てて、「ウォーク・ザ・ライン」でオスカー女優に。夫も地道に活躍していたけれど(今公開中のイーストウッド監督の硫黄島連作の「父親たちの星条旗」にも出ている)、ギャラやランクの違いをあれこれ言われて・・・。

 気の毒やなあ。もうちっとガマンすれば、と思うけれど、俳優同士のライバル意識というのはすごいものらしいです。この離婚をバネに飛躍できるか?消えてしまうか?がんばれ、ライアン。


最近印象に残った言葉

 「どう転んだところで終わることに変わりない人生の、終わり方を案じても始まらないし、安らかな死を求めて怯えるくらいなら、与えられた人生を楽しく生きた方がいい」 乙川優三郎 江戸の庶民を描いて深い哀感があります。時代は移っても、人のあり方はそんなに変わらない。 

2006年11月28日

 9月のHPに書いた、花について(白い彼岸花は許せない・・・)にお便りを頂いて、そのままになっていました。Kさんありがとうございます。勝手に一部紹介させていただきます。ごめんなさい。

「ちなみに今日の花にあげておられた「チトニア」は、許せない花なのですね〜。
メキシコひまわり、赤いひまわりではなかったですか?」


 なるほどと思い、その夜に調べました。なるほど、「赤い向日葵」、それはインカの国花でもあったのですね。中米の高原の空の下では似合うかも・・・。許します!(笑)ちなみにチトニアの語源はギリシア神話にあったように思います。

 今日は貴重な年一回の職場の創立記念日。年休を出して、久々、千早赤阪の山中のレストラン、「山燈花(さんとうか)」へ美女6人を引率して、マチガイ、お供申し上げて、参りました。雨の予想が運良く外れて、薄日の射す好天気。紅葉はまさに見頃。アペリチフは花梨酒、おいしいアマゴ、紅鱒、山くらげ、イノシシ、もみじ麩、五穀おこわ・・・手のこんだ創作料理と山の空気を満喫。来月4日で今年の営業は終了、来年4月までの冬の休業に入ります。なんせ、雪が積もります。

 近くの「西恩寺」の紅葉が最高。小さな寺だけれど、紅葉が濃い紅から淡い黄色まで見事なグラディエーションで一同感嘆。散り敷いた石段がまた美しい。客も我々いれて10名足らず。さすがにここまでは来ません。美女連大満足。

「除夜の鐘を搗きに来てください」と立て札あり。周囲100メートルに人家はありません。

 勧心寺まで下って来ると、客は結構多い。さすがに境内も広く、楓も多い。ここの紅葉も見事でした。偶に射す日差しがスポットライトのように紅葉した木を浮き上がらせる・・・。

 そしてもう一足伸ばした紅葉の名所「延命寺」はもう紅葉は終わり。先週がピークだったのでしょう。黄ばんだ枯れ落ち葉が散り敷いていました。紅葉狩りはほんとにタイミングです。

 汐ノ宮の古い民家を改装した「百年家」でお茶して解散。あれだけたっぷり昼食を頂いたのに、美女連は全員ケーキセットをぺろり、どんな胃袋なんでしょう?(笑)、別腹だそうです。私は紅茶のみ・・・。

 山燈花でも20人余の客、従業員の中で男は私一人。なんだかずっと女性に囲まれて幸せな一日でした。嫁ハンには内緒(笑)。

2006年11月27日

 川柳作家 鶴彬(つる・あきら)さんに田辺聖子さんがふれています。

 万歳と 挙げていった手を 大陸に置いてきた

 手と足を もいだ丸太に してかえし

 苦笑をまぶした厳しい風刺。鶴さんは昭和29年、獄中病死されたそうです。


逝く人

 中谷 昇 さん(俳優  77才)

 インテリ やさ男を演じて独特の魅力がありました。もともと筋金入りの舞台俳優なんですね。でも、その線の細さもひとつの売りでした。岸田今日子さんとの結婚生活(20年余)のイメージが強く、ビールの「どういうわけか夫婦です」のコマーシャルは当たり流行語にもなりました。二人が離婚したとき、ヘエーあの夫婦も別れるのか、と思ったけれど、彼がすぐ再婚しはったので納得。それから彼は俳優として影が薄くなりました。岸田さんはますますお元気。

2006年11月26日

 長時間パソコンに向かう(使いこなせないくせに)為か、最近肩凝りを覚えるようになりました。50数年肩凝り知らずできたのに・・・。特に右肩が重くて、テニスのサーブもうまく打てません(苦笑)。

 久々に整骨院でマッサージしてもらうと、大分楽になりました。寒さもこたえるのですね。

 日曜のテニスを毎週のスケジュールから外したら、こちらも大分楽になりました。運動不足も要注意ですが、やりすぎもいけません。本も読みたいし、仕事の準備もゆとりをもってしたい。

 午前中に嫁ハンとゆっくりモーニングに出かける。南河内グリーンロードを走って、あちこち紅葉狩りをして、千早赤阪村の「ラ・フォレスト」というカフェ・レストランでブランチ。高台にあって、東坂(あずまざか)の集落と棚田を対岸から眺める景勝の地。一度来てみたいと思っていたのです。名前の通り、この地でとれる、材木を素材とした家具や小物も扱っている。森林組合がバックアップしているようです。

 今は近所に工房を持つ「岩崎久子」さんの木工展が店内で開かれていました。柔らかな曲線を持った、暖かみのある家具類。ほしいけれど、置くところもないなあ。からすうりがアクエントに飾られていました。もうストーブが燃えて、山里は初冬の風情です。

 河内長野の勧心寺まで足を伸ばし、門前の「阿修羅窟」でぜんざいと黄粉餅をいただく。帰りにゆっくり洗剤など買い物。こんな日曜の過ごし方もあったのです。帰って昼寝、夜は仕事がはかどりました。

2006年11月25日

 寒さと忙しさで、例年より早く胃痛(正しくは十二指腸の痛み)が訪れました。例年は二月から三月に来るはずなのに。それで、残念ながら生まれて初めてというドタキャンをしてしまいました。テニス仲間との忘年会。楽しみにしていたのに・・・。幹事さんに申し訳なく・・・もちろんキャンセル料金は払います。

 今までなら痛みをこらえて出席、飲んでいるうちに痛くなくなり、帰宅後、酔いが醒めてきてまた痛むという図式でした。今回はもう年も考え、仕事も考え、不義理も承知で無理はしないと結論を出しました。嫁ハンはやっと気がついたかという表情(苦笑)。

 テニス仲間のをキャンセルしたのをきっかけに、お誘いいただいた四つの忘年会をお断りして、残るは自分が幹事をしているのと早くから約束している分など4つ。これをどうしましょう(笑)。


最近印象に残った言葉

 「おれはだめだと思っているうちが健全だ、と作家の藤原審爾さんに言われたことがあります。自信をもつようになったらおしまいじゃないかな」(「武士の一分」を撮り上げた山田洋次監督)

 あのキャリアにしてこの謙虚さ・・・。自信を持つことも大事だけれど、やはり自分に厳しくあることも大事と思います。 

2006年11月24日

 偶に訪れていた太子町のレストラン・カフェ「あすかガーデン」が突然の閉店。池の上に張り出し、推古天皇陵や小野妹子の墓が望めるカフェテラスと、洋館の中で本格的なフランス料理を出すレストランは大阪市内からも客が来るおしゃれな店でした。ガーデニングにも凝っていて、きれいな庭や花が楽しみでした。

 やはり経営が大変だったのかなあ。残念。狭山にある姉妹店はやっていると聞いてちょっと安心。

 以前に触れた、土師ノ里駅近くの一人住まいのおっちゃんの家。先日また通りかかって見かけました。今度は出勤前らしく、作業服を着て、庭の落ち葉を掃いてはる。となりが鍋塚古墳なので、椎の木が茂っており、落ち葉がいっぱい降っているのです。慣れた動きで竹箒で要領よくやった上で、今度は古墳に少し登って、吹き降ろされてくるであろう落ち葉も掃き集めている。大量の落ち葉はごみに出すのでしょうね。昔なら庭でも燃やして、ついでに焼き芋も作るところだけれど、ダイオキシンがなんたらとかうるさいことです。

 故郷の村でも焚き火が出来なくなったようです。焚き火をしたら町役場に投書がゆくそうです。嫌だなあ。帰省の楽しみがひとつ減りました。


大阪ええとこ(11月24日記)

 西高野街道

 車検で初芝に行ったついでに、検査が仕上がるまでの2時間を使って散歩。前回よりさらに南に向かって歩く。石畳の道、古い酒屋が点在する道も、阪和高速の下を抜けると、もう普通の道になってしまいます。たまにある街道の標識と、門構えの大きな旧家がわずかに面影を残すくらい。あと数本の大木といくつかの古寺。

 その中の  寺は山門の向こうに巨大な楠と色づいた銀杏が見える。門は閉まっていたけれど、電動のこぎりの音がしたので、ぐるりと裏に廻ってみると、車の出入り口があり本堂の改修工事中とわかりました。作業の邪魔しないように庭だけ拝見。門からの参堂の真ん中に大きな楠。幹は大人で4かかえ位ありそう。隣の銀杏の黄葉も見事でした。見ることが出来てよかった。「お宅」拝見と「大木」、そして「滝」ウォッチングは定年後の大きな楽しみです。

 休日の昼なのに子供が少ない。道端のおばあちゃん二人の会話が耳に入りました。

 「これからぎんじろうトコへ行くねん」

 「飲みに行くの?」

 「いや、飲みに行くのんと違うよ。でも、飲むけどな」

 思わず、笑いました。ぎんじろうさんて、親戚かな?ボーイフレンドかな?

 弘川寺(ひろかわでら)と高貴寺(こうきじ)

 河南町の桜の名所。秋に訪れるのは何年振りでしょう。いつも桜に気をとられていたけれど、もみじも結構あるのです。境内に鮮やかなものが数本、桜山の尾根から眺めたら谷間に数本、そして西行記念館の横に真っ赤な楓が一本。期待していなかった分、喜びも大きい。ここは紅葉の穴場です。

 ついでに南河内グリーンロードを車を飛ばして山道を辿ること10分。高貴寺へ。以前は人気(ひとけ)がなかったのに、なにやらライトアップまでしている気配。犬も住んでいる。村の頂にあった弘川寺と違って、人里離れた山の尾根に結構大きな伽藍が並ぶ。昔はさぞ壮観だったことでしょう。こちらの木々は赤よりほとんど黄色く色づいています。これもまたきれい。紅葉狩りの客もぼちぼち。一度庫裏の中に入ってみたい。


最近読んだ本

 「秋日和」 赤瀬川 準(しゅん)

 中年男性の恋心を描いた10の短編集。どれも40代から50代の、独身男性(妻とは離婚、もしくは死別)の若く美しい女性への切ない思いが語られる。9編中8編がプラトニック。いずれもワンパターンでじれったい。

 やはり、この人の得意分野の野球を題材にした「トロイの干草」が一番読ませます。ここのトロイはアメリカの小都市。かつて大リーグに所属する野球チームを持っていたが、今はチームすらない。この町の出身で大リーグを目指し、それを目前にして挫折し、帰郷して野球チームを作った男と、日本での生活に疲れ、ふと旅行でこの町を訪れた中年男がホテルのバーのバーテンダーの仲立ちで触れ合ってゆく。ちょっと甘いけれど、「夢の復活」というテーマはシュリ−マンのトロイ発掘を連想させて、うまく読者の心に届きます。

2006年11月23日

 今年の日仏協会主催の「ボジョレ・ヌーヴォーの夕べ」は、ハイアット・リージェンシー・オーサカで。昨年の阪急インターナショナルから変わって正解でした。昨年はワインの味はともかく、料理が少なく不評でした。今年はたっぷり。味も上々。その代わり昨年の反動で出席者が少ない(苦笑)。年一度の行事だからこそ、一回でも外すとこうなります。

 でも、お陰でわれわれ(テニス仲間と嫁ハンと5人)は大満足。ひたすら、飲みまくり、食べまくりました。私はチーズ10種類を全制覇、そのあとフォアグラに気づいた頃は、もう味がわかりませんでした(苦笑)。上の息子が勤務後駆けつけて来たのですが、酔っぱらいばかりだったので、あえて、声を掛けなかったそうです。失礼なヤツめ。

 アトラクション(3年前は嫁ハン)は奈良出身のトランペッターの山藤卓実さん。あっさりした演奏でした。

 帰りのホテル前の石段で友人が転倒、額を切って出血。ホテルに引き返し、手当てして、タクシーで引き上げる。まさに、禍福はあざなえる縄の如しでした。

 でも、ハイアットはいいホテルです。環境も施設もサービスも・・・。場所が不便な点が残念です。

 「賢い主婦はスーパーで手前に並んでいる古い牛乳を買う」・・・確かに、自宅の冷蔵庫では古いものから飲むのに、スーパーでは奥の古いものから買う私はドキ。

 日本では毎日2000万人の食料が賞味期限切れで捨てられるという・・・うーむ。反省。今年の新聞広告クリエイティブコンテストの最優秀作品でした。 

2006年11月22日

 地下鉄の長い上りエスカレーターに乗って、いつも思うこと。これって「天国への階段」に似ています(そんな題名の洋画がありました)。みんな粛々と死へと確実に運ばれてゆく・・・。たまに、空けられた通路を、せわしげに人を追い抜いて上ってゆくやつもいる。急がなくてもいいのに。

 小笠原の巨人入りはがっかり。巨人もええかげんに目を覚まさなくっちゃ!

 ロンドンの郊外、ハンプトンコート宮殿の物置から、ほこりにまみれたカラバッジオの作品が発見される。5千万ポンド(112億円)以上の値打ちがあるらしい。値付けの根拠はわからないけれど、お宝って眠っているものですね。

 そのロンドンでウィリアム王子(24才)の結婚話。五年越しのお相手は、ケイト・ミドルトンさん(24才)。すでに関連商品が売り出され、ロイヤルウエディングへの期待が高まっているらしい。1千万ポンド以上の市場とか。ダイアナさんの騒ぎと悲劇からの学習は?

 もう終わりましたが、コスモスの花は普通は漢字で「秋桜」。でも、中国では音で「可思莫思」と当てるとか。「思うべし、思う無かれ」・・・・恋に揺れる思いが感じられます。


逝く人

 はらたいらさん(漫画家 肝不全 63才)

 やはり飲み過ぎですよね。個人的にはクイズ・ダービーでは高い正解率より、固い表情が気になりました。

 藤岡 琢也さん

 この人を外していて、ご指摘を受けました。橋田ドラマが嫌いなもので・・・彼に罪はありません(苦笑)。モダンで個性的で、40年以上前、NHKの「横堀川」でデビューした頃は、その存在感、演技力で光っていました。南田洋子の女主人への思いを秘めて、尽くしまくる番頭役は忘れられません。
 近年の頑固親父一辺倒は気の毒でした。

 斉藤茂太さん (精神科医 エッセイスト 心不全 90才)

 斉藤茂吉の長男。晩年ドンドン表に出て来はりました。その分、弟さん(北杜夫)はどうしているのでしょう?

 ロバート・アルトマン(映画監督 癌による合併症 81才)

 才気溢れるというとこの人を思います。ブラック・コメディ、群衆劇に本領発揮。「マッシュ」「ショートカッツ」・・・。俳優に特に人気のある監督だったそうです。

 神戸地検の母と呼ばれた女性(準看護士 68才)

 神戸地検の医務室勤務の女性。26才から60年間、現役だったそうです。身寄りがなく阪神大震災で家を失い・・・最後は弁護士達が見送りました。霊柩車は地検の前でしばし止まり、職員皆が別れを惜しんだそうです。


来る人

 ロバート・ゲーツ氏(63才)

 かつてのCIA長官が今度は国防長官に。国防総省の出過ぎを批判していた人物がそこへ行ってしまう・・。アメリカに人材はおらんのか?それともそれほどの大物なのでしょうか? 

2006年11月19日

 今日は朝から雨模様。でもあえて、約束通り前任校の教え子(30才)の家に柿狩りに行く。いつもの同級生メンバー10名と河内長野駅前に集まって、車に分乗、30分余で橋本の農家に到着。

 小雨だったのでさっそく柿畑に。岩湧山や金剛が北に聳え、目の下には紀ノ川が流れる北向きの斜面。畑はきれいに手入れされている。空気が明らかに澄んでいる。みかんと柿の収穫の仕方の違いを実感。木から摘み取る時は蜜柑の方が注意が必要だけれど、柿は摘んだあとの扱いが大変。皮が傷つきやすいので、一個一個丁寧に籠に移す。ごろごろと転がせる蜜柑と違います。

 雨が強くなったので、引き返し、広い座敷で乾杯、おでんとヌーヴォー、清酒(昨日、藤本酒造で買った分も)、焼酎・・・みんな元気です。運転手は「子供ビール」(りんご味のジュースー初めて知りました)。そして私のミニ講義と情報交換、世相談義・・・。年に一二度の楽しい集いでした。ホストの彼も結婚近い気配。来年が楽しみです。 

2006年11月18日

 5時半、見事な朝焼けでした。東の雲の形によるらしく、ピンクの光の束が二上山の向こうからスポットライトのように射してくる。美しいけれど、こりゃやばいいなと思いました。こんな日は天気が崩れます。

 18日は観音さんの日。毎月この日に近辺の観音さまが拝観できます。土曜と重なったので、職場の仲間を誘って、葛井寺を中心にゆっくり歩きました。まずバスで野中寺(やちゅうじ)に。ここの弥勒菩薩さんを拝観。以前宝物庫の金庫の中で拝んだ時とは違って、書院に移され明るい畳の間で身近に見られる幸運。大きくおだやかに見えました。お庭の天然記念物の白い山茶花は咲き始め。お染久松の墓をまわって、歩いて仲哀天皇陵へ。もちろん埋葬者は謎ですが、深い緑と広い堀。睡蓮が満開のときはさぞ見事でしょう。

 辛国神社を経て、葛井寺で千手観音拝観。薄暗い中で見たので写真より細く見える。以前(20年前)見たときより小さく感じられる。でも、実に美しい仏様です。お姿背後の手は1001本あるそうです。

 山門前の藤本酒造へ。ちょっと味見をと御願いしておいたのに、閉めている倉を案内してくださり、さらにとって置きの吟醸酒までを飲ませてくれる。元々古酒が好きな私は大満足。同行の仲間も13名中11名が飲めるので、皆も飲みまくる。飲めなかったお二人ごめんね。この嬉しいサプライズで行程を一気に変更。やはり雨も降って来ました。

 応神天皇陵(これはいつも見ているけれど、とにかく広い)を経て道明寺天満宮へ。ここで食事。同僚が藤本酒造で買った酒をまたいただく。道明寺で11面観音を拝観する。こちらは以前より大きくやさしく感じました。「菅原伝授手習鑑」(ずがわらでんじゅてならいかがみ)」の話を少しして解散。「文学散歩」と銘打っていたのですが文学の香りより酒の匂いが漂うミニ旅行となりました(苦笑)。

 駒ヶ谷まで歩いて、河内ワイン館に行くつもりでいたが、次回にということに。笑いすぎ、喋りすぎ、飲み過ぎで喉が渇いたので、帰ってまたビールを飲む。困ったものです。でも楽しい一日でした。

2006年11月17日

 夜中にごそごそと、衣替えをしました。嫁ハンはステージ衣装などがあるので、当然服の量も多く、こまめに衣装ダンスなど触っていますが、私は数も少ないし、忙しいのと面倒くさいのとで、昨日まで重ね着で誤魔化してきて、あとあとにしていました。

 先週からの冷え込みで、さすがに焦りを感じ、酒の勢いも借りて、一気にやってしましました。防虫剤もたっぷり入れました。後は週末にクリーニングにいくつか持ってゆくだけです。どっと疲れましたが、ひと安心です。

 それにしても、私の部屋の衣装ダンスまで嫁ハンの服が溢れてきている。ちょっと腹が立ちました(苦笑)。気に入りのベストが出てきたのは嬉しかったけれど・・・。

 来年度のカレンダーを探しています。これは年末の楽しみ。ミオの特別コーナーにはおいしそうなのがいっぱい。一応、居間に飾るために、パリのカフェシリーズと、薔薇のカレンダーに目星をつけてきたのですが、後は嫁ハンと相談です。1500円から2000円くらいで1年間楽しめるのだから、安いものです。

 自分の部屋には、ミオには置いてなかったけれど、滝シリーズ、世界の夜景シリーズを探索中。坂東玉三郎のもの、これは美しい(篠山紀信撮影)けれど、長年買ってきたので、そろそろネタが尽きて、来年は買おうかどうしようか思案中。でも、やはり正月の部屋には多々ある美しい歌舞伎カレンダーの中でも豪華絢爛の極致、玉三郎の揚巻(「助六」の恋人)の艶姿が似合います。ちなみに、どうでもいいことですが、「助六すし」の語源は揚巻―げ(いなり寿司)と寿司がセットで入っているからです。

 もうひとつの年末の楽しみ「顔見世」のチケットが今年は取れません。2年間に渡る中村勘三郎の襲名披露興行の最後を飾る意味合いもあるのでしょう。すごい人気です。発売初日に嫁ハンが2台の電話を駆使して3時間奮闘してくれたけれどだめで、やっと繋がった2日目の午前中には、前半分は補助椅子も含めて完売という返答。先行予約しておけばよかった。

 あとは旅行社かマスコミ関係しかないかなあ。20年以上続けてきた年末行事が途切れるのは悔しい。なんとか打つ手を考えている秋の夜です。

 紅白歌合戦の司会者決定発表。マンネリと言われつつ、ここまで続けばもう年中行事。恒例のニュースにもやはり年末近しの感と風情があります。今年も結局、酒を飲みながら、これ誰?などと言いながら、長時間(5時間近く)見てしまうのでしょう。もう少し短くてもいいですね。昔は9時からの2時間45分でした。幼い頃、まだ家にテレビが無くて、布団の中でラジオで聞いて、いっそう想像力をかきたてられた紅白の華やかさがなつかしいです。

2006年11月16日

 秋時雨 早めの風呂を たてにけり

 肌寒い日は、早めに風呂に入って、燗酒を飲みたいものです。

 情報誌で見かけた「カップ酒バー」へ行ってみました。 最近カップ酒がブームで若い女性にも人気があるらしい。西田辺駅前の「楓」という店。木を多く使ったシックな店構え。マイナス16度で保存してあるカップ酒が、冷やしたグラスに注がれるとあっという間にシャーベット状になる。何種類か飲んだけれど、これはこれで異色の味。

 でも、やはり最後は各地の銘酒を燗してもらって、湯葉やおでん、ニンニクの若芽をこんがり焼いたものをあてにいただく。やはりこれでんなあ。

 心身共にハードな日々が続いて、ぐんにゃりしていたら、先日の文化フェスティバルで担当した模擬店のメンバー代表が呼びに来る。なんやろと思って廊下に出ると、メンバーが揃っていて、売り上げ金の一部を寄付して、残った純利益でみんなでフォトスタンドを買ったのです、先生の分もと、感謝の寄せ書きを添えてプレゼントしてくれる。

 最近とみに心身の衰えを感じ、しんどくて早期退職を考えることもあるけれど、こんなことがあると、なかなか教師はやめられないものですね(苦笑)。


最近印象に残った言葉

 ナイロンザイル事件  井上靖「氷壁」のモデルになった学生の兄 石岡繁雄さんー長年研究と調査を重ねて、ナイロンザイルが岩角で切れたことを実証、メーカーの妨害と世間の非難を打ち破って弟への疑惑を晴らしたーの言葉 先日、88才で死去

 「人間社会は人間ひとりひとりがその弱さを断ち切り、良心に従って、勇気を持って発言しない限り、決して良くはならない」 その通りなんだけれど、それを実行することの難しさ。近所の子供に声を掛けるのにも気を使う昨今です。


最近読んだ本(11月16日記)

 「8月の路上に捨てる」 伊藤たかみ

 題名からしてウマイ!自動販売機の飲料入れ替えのアルバイトをしているフリーターの主人公敦とトラックに同乗するパートナーの女性スタッフ水城さん(人物造型鮮やか)との会話で成り立つ小説。

 都会の灼熱の路上での束の間の会話のつなぎ合わせで、敦の人生と離婚の過程、そして水城さんの人生と離婚も、が浮き上がってくる。構成も文章もやはりウマイ。語られる妻もきちんと描かれている。いい作品です。

 でも・・・「格差社会の底辺に生きる、新しいフリーター文学の誕生」というのは出版社の持ち上げすぎ。販売戦略とはいえ、イメージを固めてしまうのも気の毒。

 135回芥川賞としてはちょっと小粒な感じ(石原愼太郎氏は「不毛」と選評で言い切ってますーそれは言い過ぎ)もします。もう少し時間をかけて見守りたい作家と思います。

2006年11月14日

もっと神戸 

 神戸でガーデンパーティ

 数週間前の晴れた休日。久々、結婚披露パーティに出かけました。神戸の外れ、住宅街の中にある芝生と広い藤棚と2階建てログハウスのある家。陽光を浴びて階段から新郎新婦が降りてくる。式はすでにサンモリッツの教会で済ませてきたらしい。花嫁のウエディングドレスは肩を出したセクシーなもの(最近こんなのが多くて、おじさんとして微妙に不満)。バラの花びらのフラワーシャワー。芝生の上でワインで乾杯。ケーキカット。ログハウスの2階レストランでコース料理。新郎とバンド仲間による演奏。

 こんなおしゃれなパーティが出来るんだ。最近増えているらしいけれど、神戸ならではかもしれませんね。

2006年11月12日

 11日。冷たい雨の中でしたが、文化フェスティバルは無事終了。単位制高校なので、他校のようなクラス単位でなく、有志の生徒による自主的なもので、規模も小さく、派手な催しではありません。でも、生徒がよく動いて気持ちよいものでした。私が担当したのは3年間付き合った生徒11名によるバザー、模擬店でスイートポテトの作製販売の店「ジョーカー」。

 検便から始まって、買い出しや、ユニフォームの作製まで、お互い気心の知れたパートナーの教師と生徒の呼吸がばっちりで、売り上げも上々。片づけから教室での反省会までこちらも上機嫌。

 最後の記念撮影では、私の提案で男女のユニフォームを交換して撮影する悪乗り振り。もちろん私が真っ先に。生徒の方が呆れて、笑い転げていました(苦笑)。

 同時に行われた「24時間マラソン」は、文字通り24時間、グランド(雨で体育館に移動)を24時間、タスキを繋いで走りきるというもの。チャリティを兼ねていて、集まった寄付金をネパールの小学校に贈るという催し。昼は生徒や卒業生、夜は現職教師やOB教師が走ります。中には1時間以上も走る人も。私は以前は早朝30分走っていましたが、昨年から無理は控えています(苦笑)。

 今年は昼間に「ジョーカー」の生徒と一緒に走り(1周抜かれー笑)、夜は先生方の炊き出しにまわりました。四国の両親が作ってくれた新米を提供、おにぎりを女性の先生方と一緒に100個余り握って喜んでもらいました。

 お節介でついあれこれ仕切ってしまうのですが、そろそろ中心は若い先生に委ねていって、徐々に前線から撤退して行かねばと思っています。でも、こういう嬉しい楽しい記憶がこれからの年月を支えてくれるのかもしれません。

 夜の8時半過ぎに、四国からエリック・クラプトンの大阪公演を見に来ていた弟と天王寺で落ち合う。いつもの路地裏の居酒屋に連れて行って常連さんに紹介。みんなは私の兄だという。たしかに大柄で無口、落ちついている。それにくらべて私をはじめいつものメンバーのやかましいこと・・・(苦笑)。湯豆腐に焼酎で乾杯。弟は、あたたかくさりげなく歓迎されて、感激していました。

 11時過ぎに帰宅、結局また嫁ハンと3人で午前1時過ぎまで飲み直して、盛り上がってしまいました。


最近読んだ本

 「沙高楼綺譚」 浅田次郎

 青山墓地を見下ろす高層マンションの最上階の薄暗いシックなフロア(「沙高楼」ー儚く崩れやすい高層建築)に、各界の名士が揃って、それぞれ墓場まで持ってゆくはずだった秘話を語り合うという趣向の連作集。

 仕切るのは女装のオーナー。彼の嘘を申されますな、他言なさいますなという前口上に続いて、休憩を挟みつつ深夜まで続くうち明け話の白眉は最初と最後の2話。

 最初は刀剣鑑定の名家の秘密と贋作家の戦い。ドンデンガエシが鮮やかなのは伏線がきれいにしっかりはられて、しかもそれを忘れさせる本筋の語り口の迫力。

 最後はヤクザの大親分の若い日の秘密。集団就職で上京、ふとしたはずみにヤクザの道に入り、出入りで4人も殺してしまい(?)、その世界の大物になってゆくが・・・。一人称でこういう話を語らせたら、浅田次郎さんはめちゃウマイ!

2006年11月9日

 「木枯らし1号」の吹き荒れた朝、地下鉄の入り口でダンボールの塊が風に煽られている。吹き寄せられたのだと思ったら、ダンボールの端から細い足が見えたのでギョ!

 ホームレスの人の棲家だったのです。いつも一歩違えば自分もああなっただろうと思うのです。でも、公園を我が物顔に占拠はできないなあ。美意識(?)に反する。どこかの町外れの橋の下か、木陰に遠慮がちにお邪魔してたと思います。

 北朝鮮の核実験を知らない生徒がいる。いや北朝鮮ってどこにあるの?中国の一部?という生徒もいます。視野の狭窄化がますます進行していっているようで心配。本はおろか、新聞も読まない若者の増加が気になります。歴史も地理も基本的に学校で教わって身につくものではないように思います。本人の興味、好奇心が世界を拡げるのです。


最近読んだ本

 「風に舞い上がるビニールシート」 森 絵都

 直木賞受賞作。さすがにうまい連作。表題作のビニールシートはよるべなくさまよう「難民」を表しているのです。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に勤める男と国際結婚したヒロインは夫の仕事の意義を理解しつつ、平凡な家庭の幸せを望んでしまいます。そして悲劇が・・・。

 「ジェネレーションX」もおもしろい。欠陥商品の宣伝掲載してしまった、情報誌の社員と、玩具メーカーの社員が、クレームをつけた消費者に謝りにゆく道すがらの会話でなりたつ小説。初対面同士が次第にきれいに敷かれた伏線が気持ちよく胸に落ちるエンディング。世の中捨てたもんじゃないと思わされます。

2006年11月8日

 壇ふみさんのお母様(当然、作家壇一雄の奥様)が脳溢血で倒れる。駆けつけるふみさん。

「オババ(おかあさんのここと)私がだれだかわかる!」
「看護師さん!」
「違うでしょ!フミでしょ!フミ!」
「いいえ。フミさんじゃない。あなたは看護師さん。フミさんはね、もっと厳しいの」
私は泣いた。              (「ありがとうございません」より)

笑いつつ泣いてしまう。壇さん、文章も本当に名手です。


最近印象に残った言葉

 「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」 江戸川乱歩

 江戸川乱歩の言葉だからこそ説得力あり。昨夜の夢はリアルでした。


最近読んだ本(11月8日記)

 「おにいちゃん」 矢川 澄子

 澁澤龍彦の前婦人で詩人でもある。おにいちゃんとは澁澤のこと。矢川さんは個人的には好きな感性ではないが、その交友記録だけでも文学史資料もの。三島由紀夫が澁澤に向かって語る。

 「僕はこれからの人生で愚行を演ずるかもしれない。・・・日本中が笑った場合にたった一人わかってくれる人が稲垣さんだという確信があるのだ。なぜかというと、稲垣さんは男性の秘密を知っているただ一人の作家だと思うから。」

 三島は稲垣足穂を敬愛し、稲垣は三島を無視した・・・。 

2006年11月7日

 立冬の日の「木枯らし1号」。ドアを開けるのに苦労しました。やはり自然は正直です。諦めて衣替えをすることにしましょうー遅すぎるって!(苦笑)。

 ケンタッキーフライドチキンのシンボル、カーネル・サンダースさんの笑顔のロゴマークが12月から変わるのですね。今まで白いスーツに蝶ネクタイだったのは会社を設立した65才の時の肖像、今度は調理法を発案した49才の時の顔で、エプロンをつけている。流石に似合っています。男のエプロン姿もいい。

 「バタフライ型地雷」ー蝶に似た形と明るい色。好奇心旺盛な子供が触って、爆発、失明したり手が飛んだり・・・旧ソ連がヘリコプターでアフガニスタンにばらまいたものなのですって。聞いてはいたけれど、写真を見て、改めて怒りがこみ上げてきました。こんなの考えた人、作った人、ばらまいた人にも、親があり、子供がいたでしょうに・・・。


逝く人(11月7日記)

 内山田 洋 さん(歌手・70才)

 温厚な人柄をうかがわせる風貌でした。クールファイブのリーダーとしてムード歌謡の一時代を作る。前川清が87年に独立した後も活動を続けました。「東京砂漠」「恋唄」「出船」が好きでした。話は変わりますが、前川清さんはコメデイに走らないでもっとしっかり歌ってほしい。いい歌い手なのに・・・。


最近読んだ本

 「下流社会」 三浦 展

 「格差社会」の到来を立証して50万部を超えたベストセラー。教育現場にいると実感することも多い事象が具体例を挙げつつ、きちんと分析され提示されます。その仕方に異論もありますが、ま、鮮やか。それにしても、格差の固定、拡大がこのまますすんで行ったらと思うと・・・ぞっとします。

 「霧笛荘夜話」 浅田次郎

 東京近郊の港町の時代がかったアパートの一部屋ずつを舞台にした連作。設定は面白いけれど、人物造型(身を持ち崩す上流婦人、ロック歌手を目指す少年、戦争の傷を引きずる元特攻隊員)がちょっとパターン化していて、流石の語り上手も力を発揮出来ていません。残念。

 「人生万歳」瀬戸内寂聴 永六輔

 どちらも対談上手。寂聴さんいきなり「源氏って面白いでしょう。だって、強姦、輪姦、不義密通、不倫、セクハラなんでもあり、みさかなくやってばっかりいるんですもの・・・」永さんものけぞりながら、打ち返す。気持ちよく、しかも頷かされる対談集でした。死んだ時、最後まで聴覚が残るという話はぎょっとしました。 

2006年11月5日

 いよいよ新酒も出回りはじめ、酒飲みにはこたえらない季節になりました。燗には6段階あります。温度30度位から、日向燗 人肌 ぬる燗 上燗 熱燗 とびきり燗。

 すべてぬる燗か熱燗で分けてしまう今の風潮はアキマヘンなあ。

 おばあちゃんはずっと酒飲みのおじいちゃんに毎晩、燗が下手やと怒られていました。可哀想でした。湯につけたカンポや徳利を持ち上げ、そのお尻を指で触って燗具合を測る・・・電子レンジがあればよかったのかもしれませんが、その日の気温やアテに配慮して、微妙に燗具合を変えるのも料理のうちだったのかも知れません。

 でも、私は祖父に反発していたので、そんなん自分でやりゃええやんと思っていました。そう言って怒られました。今も思っていて、燗だけは自分でしています。


最近読んだ本

 「流星ワゴン」   重松清

 作者久しぶりの長編は重くて、しかも不思議な透明感を漂わせたファンタジー。故郷の父は危篤、妻はテレクラに溺れ、息子は引きこもり、自身もリストラされ絶望感に苛まれている主人公(38才)は、帰宅途中の駅前でワインカラーのホンダオデッセイに引き込まれるように乗ってしまう・・・。

 車を運転しているのは5年前に交通事故死した父子。車を飛ばして過去に遡る旅に出た主人公は人生のターニングポイントごとに降車することになる。そこで出会うのは、今、死の床にあるはずの父、それ自分と同年代の・・・。

 見事に組み立てられた、ファンタジーながら現実がきっちりあぶり出されていて、これぞ小説の醍醐味。二晩で読んでしまいました。父子、そして家族再生のドラマではありますが、ほろ苦く、しかし結末に救いが用意されていて、読後感はさわやかです 

2006年11月4日

 昨日の同窓会で、急用で先にそっと失礼したので、ゆっくり話も出来ず、新しい住所も確認しないで別れてしまった、気になる人たち。HPを見てくれと言っておいたので、もし見てくれたら、トップページからメールください。Nさん、旧姓Tささん、Hくん、待っています。

最近知った言葉

 「ソワニエ」

 レストランの最上客を指すそうです。日本では欧米よりそのポストへのハードルは低くて、足繁く通えば、いい席に案内してもらえたり、裏メニューが出たりするようになるそうですが、どこかうさんくさい匂いがします。格差社会へと向かう社会現象が生んだ徒花(あだばな)のようにも思います。

 「テイク・ア・ヘア・オブ・ザ・ドッグ・ザット・ビット・ミー」

 自分を咬んだ犬の毛を取る・・・?咬まれた傷跡に犬の毛をつけるといいらしい。ようわからんけれど、結局「迎え酒を飲むこと」らしい。


逝く人

 ウィリアム・スタイロン さん

 「ソフィーの選択」(79年ー映画化され胸打たれました)の作者。81才。肺炎。

 白川 静 さん

 漢字研究の巨人。努力の人。大学紛争の中でも、封鎖された学舎でぽつんと灯を点し研究と続けたエピソードがあります。「芸に遊ぶ」という言葉が座右の銘と聞きましたが、論語の「芸」は「学芸」なんですね。多臓器不全、96才。

 ポール・モーリアさん

 華やかなオーケストラの演奏でイージーリスニングの一時代を築きました。81才。

2006年11月3日

 前任校の卒業生、クラス毎ではありましたが、学年全体では初の同窓会。10年経って、27から28才。結婚ラッシュ、出産ラッシュでもありますが、それぞれに成長していて、うれしい限り。

 仕事で悩んでいる者もいますが、出席出来る者は元気であるということ。ひとりだけインフルエンザで亡くなったという哀しい話も聞きました。日本中に散らばり、もちろんニューヨークなど海外に居る者も多くいます。この日の為に駆けつけたという者も多くいました。

 いろいろあって、卒業はもちろん、その後も一番心配だった女子生徒が、元気な姿を見せてくれたことが何よりの喜びでした。思わず抱き合ってしまう(苦笑)。海外生活を経て、たくましく成長、ブライダルプランナーとしてがんばっているとのこと。6年目の挑戦で小学校教員の採用試験に通ったという生徒もいました。

 それにしても趣向を凝らして、数百人を捌き、楽しませてくれたた幹事グループに感服、感謝。

 幼児、あかちゃんが入り交じる大会場で、すごい熱気。人疲れしました。でもうれしい一日でした。また10年後にやるのでしょうか?楽しみです。


最近知った言葉

 「上げ潮」

 出久根達郎さんのエッセイで知る。「酒の切れていない状態」をいうらしい。上げ潮で髭を剃っていて顎を切ったから、血が止まらない、というように使うようです。人、チームや組織のよくなりつつある状態を言うだけじゃなかったんだ。「上げ潮」での運転はあかんということですね。

 現実の海の「上げ潮」(「満ち潮」と言うことが多いですね)ではゴミも多く打ち上げられますが、シーガラス(と言うらしい角のとれたガラスの破片)や外国語の入った訳のわからない道具、知らない魚の死骸など、いろんな面白い海の贈り物もあって、興味深いものです。また、

 上げ潮に気付かず、砂州に取り残されたりしたのも、怖かったけれど懐かしい思い出です。 

2006年11月2日

 朝、通勤時に通りかかる神社の前で、小学生の男女が並んでお祈りしていました。かわいい。でも、私立中学合格祈願なんでしょうか?

 韓国映画「トンマッコルにようこそ」(人―「映画ダイスキ」欄参照よろしく)の結末が気になっていて、韓国人の友人に訊いて見ました。この夏、帰国して観たそうです。

 あの結末はいまいちピンとこないのやけど、どう?

 かんさん、あれしかないのです。連合軍の村への攻撃を南北の兵士が力を合わせて、身を犠牲にしてかわすところに、あの映画の醍醐味があり、韓国の観客は喝采を送ったのですよ。

 でも、連合軍って南軍(韓国軍)でもあるわけでしょ?

 いえ、あれは米軍なんです。あの映画は朝鮮半島を今も軍事支配する米軍に対する抵抗の映画なんです。

 えー、そうだったんだ。でも、最後に村にやって来て狼藉を働いたのは米兵ではなくて、連合軍の韓国側の兵だったよね。

 そこが苦心のところなんですよ。米兵の起こす事件などでかなり反米感情が高まった中での映画だったんで、微妙なカムフラージユがあったのです。ちょうど日本のオキナワの状態と思ってください。

 ふーむ、ナルホド。あの映画にはそういう見方があったのか。でも北朝鮮の核や体制についてはどうなるんだろう・・・民族が分断されず、力を合わせれば解決できると彼女は言うのですが・・・。北朝鮮の今の姿勢は、韓国とすらも溝を作り、孤立を深めているだけように見えるけどなあ・・・。

 と、思っていたら、6カ国会議再開とのこと。もう、つぎつぎ変わる情勢に頭がついてゆけません(苦笑)。

 最後に「王の男」は面白いよ、と薦められました。12月公開。



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