2007年4月30日
「新歌舞伎座」が上本町に移転。その名前とは裏腹に歌舞伎を上演しなくなって10年余、仕方のないところですが、ミナミから芝居小屋(劇場と呼ぶより、この方が実感あり)が消えてゆくのはさびしい。
新歌舞伎座で見た歌舞伎は、亡くなった尾上梅幸さんの「野崎村」(熱演でした)「京人形」(太りすぎでした)中村歌右衛門さんの「阿古屋」(痛々しかった)市川猿之助さんの「小栗判官」(これが最後でした。猿之助さんカンバック!)など・・・懐かしいけれど、やはり歌舞伎小屋としての無理がありました。
1958年の創建当時は斬新だったけれど、回り舞台のないスライド式の舞台は歌舞伎では使いにくい。(逆に松井誠や梅沢登美男は活きていましたが・・・)
新しい劇場は、回り舞台を復活して、また歌舞伎を見たいものです。「松竹座」は窮屈で見にくい。ロビーや座席もゆったりした、贅沢なくつろげる空間を期待します。
行く人 来る人 (4月30日記)
富山 順 さん(元小結 若浪 心不全 66才)
小兵ながら力強い取り口で人気でした。平幕優勝した1968年には26才?。それからの長い月日があったのですね。
安蘭けいさん
タカラヅカ星組の新トップスター。時間はかかったけれど、セカンドプリンス(2番手男役)からトップになって、さらに華やかに花開いた感じです。今日が3月からの大劇場の舞台の千秋楽でしたが、初舞台生もいて、春の公演では、今年もタカラヅカはまた新しく変化、進化してゆくんだなあとしみじみ思います。
蘭寿 とむ さん
タカラヅカ宙組の若手スター。日本青年館の公演の千秋楽の放映で。この公演で退団する若手の仲間を持ち上げ、気を配っていて気持ちよかった。華がある人です。
最近読んだ本
「あぐり白寿の旅」 吉行あぐり 吉行和子
なんとこの7月で100才。足を折ってリハビリ中だけど、まだまだお元気。本格的に旅を始めたのが92才とか。 娘の和子さんとメキシコへ。それから、中国、ネパール、イタリア・・・強健さもここまでくると呆れます。病弱な息子の淳之介が「あぐりさんは元気という病気だ」と言ったというのには苦笑。
テレビの旅番組に便乗している点もあるのですが、そこはNHK朝ドラのモデルであった強みでしょう。女優の和子さんより顔が売れているという笑い話や、昔、吉行栄助夫妻が来たという温泉宿に招待されて行くと、エイスケは愛人を連れて来ていたという笑えない話も。
長年営業してきた美容院は2005年に閉店(常連さんが亡くなっていって・・・という噂)、ご本人はこれから私の楽しい老後よと言ってはるらしい。
でも、お元気で長寿はめでたいけれど、息子(淳之介)や娘(理恵)さんに先立たれるのは辛いだろうなあ。
2007年4月29日
エリツィン氏に続いて、ロストロポービッチ氏の訃報。政治家と音楽家。ソ連からロシアへの激変の時代を生きた二人は対照的に見えますが、1991年のゴルバチョフ失脚の狙った右派のクーデター阻止の際には、一緒に行動していたのですね。驚きでした。
折角の3連休、少しは休日らしく過ごそうと、午前はテニス、シャワーを浴びて、昼食はカレー、昼寝をして3時半からひとりでドライブ(嫁ハンは自分の歌のレッスンに京都へ)。葛城、御所(ごせ)まで走って温泉に入って満足。
奈良へ行くなら(4月29日記)
すばらしい初夏の陽気に思いついて、車を出す。まず、駒ヶ谷の羽曳野中央霊園。ここは小高い鉢伏山の中腹にあって、大阪を見晴るかすビュースポット。広大な敷地に人は少なく、誰もいない旧事務所のベランダから双眼鏡でしばし眼下の平野を眺める。ウグイスの声、目にしみる若葉。藤の花。
馴染んだ太子温泉に行こうかと思ったけれど、この天気。もう少し走りたい。BGMはジョージ・ガーシュィン。二上山を左手に見つつ、竹之内峠を越えて、奈良県へ。緑がいっそう美しい。24号線を下って、以前から行ってみたかった「かもきみの湯」へ。たくさんの友人知人から誘われ、薦められていたのに今まで縁がなかった温泉。金剛山の東麓、自然環境に恵まれた立地。ハーブ園や散策コースも併設した家族向けの大きな施設でした。
人はいっぱいで女湯は入場制限。でも男湯はすぐに入れる(やはり男の方が入浴時間が短いのでしょう)。浴室は芋を洗うように混んでいるのかと思ったら、広いのでそれほどでない。露天風呂をはじめ、いろんな種類の湯すべてにゆっくり入る。龍神温泉に似たつるつるした泉質で気持ちよい。女性に人気がある理由がわかりました。
出口でもらったパンフに拠ると、「かもきみ」の名は鴨氏に由来するのですね。それで30年前にこの近くの「高鴨神社」に仲間と文学散歩に来たことを思い出しました。あれは素敵な神社だった。
そこで24号線を再度南下。懐かしい「風の森」のバスがある。そこから西に折れて数分、高鴨神社は昔と変わらぬたたずまい。杜に囲まれ、鳥居をくぐるとまず石段を下りる。これが珍しい。左手に池、右手に社務所。そして階段を上ると大きくはないが、清潔ですっきりした社殿があります。誰もいないけれど、掃除が行き届いていて気持ちいい。
暮れなずむ金剛山側に少し上って24号線と平行に走っているらしい道を北に帰る。見晴らしがよく、遙か右手下方に美しい畝傍山がくっきり臨めます。309号線に入って水越峠を越えて帰宅。3時間余りのミニ旅行でした。今度は嫁ハンと義母を連れていってやろう。
2007年4月27日 その3
イラクのテロのすごさ、むごさ。犠牲者も数十人という規模のものが日常化しています。
安心して生きられる幸せ。「こんな平凡な日常がこれから何十年も続くと思うと耐えられない」と書き遺して自殺した若者がいましたが、こんな平和(に見える)な日本に生きていることが出来ている幸運を思わないのか。ばちあたりめと思います。あ、ばちが当たったんですね。平和を享受することにも意識と、力が必要です。
休日出勤して、少しスローペースで仕事をする。八重桜が散ってゆきます。クラブで登校していた生徒が、中庭で雀が死んでいますと呼びに来る。ほいほいと行って始末する。平日は事件多発で、走り回っている一種の戦場だけれど(それでもテロに比べれば、なんちゅうことない!)、休業日の学校は、本当にのどかで気持ちの良い世界です。明日も行こうかな?いえいえ、止めておきます(苦笑)。休日に職場で休んでどうする?
4月半ばから、もう待ちきれないように鯉のぼりが泳いでいます。マンションのベランダにもあちこちに見えます。みわたすと、そこここの庭先で風に吹かれて泳いでいるのでよく目立ちます。躑躅が鮮やかです。
「沈黙は金曜日」から 永 六輔 編
「お祝儀をいただいたらね。ポチ袋に『御酒一献』と書いてあるの。粋だねえ」
渡し方にも配慮とセンスが必要なんですね。
2007年4月27日 その2
テレビでタカラヅカ93期生のラインダンスを見て、ジーンときました。口の悪い友人は、アメリカのカレッジのチアガールの方がスタイルがいいし、綺麗、などと言いますが、違います!そんな問題ではありません。2年間、大劇場の舞台に立とうという目標の元、厳しいレッスンに耐えた乙女達の晴れ舞台。それも同期生の揃う舞台はこれ一度きりで、この後、組み分け、仲間は離れてゆくのです。また、初舞台で引退する人もいるのです。
その若者達の思いを「弾ける」と表現していました。ワカル。
一言でいえば「健気」。そのひたむきさについは、封建的だ、保守的だとか、いろいろ思う向きもあるでしょうが、まずは感動、感服します。
今年スタッフに入った人が、「今時こんなに人の話を聞く集団があったんだ!」と驚嘆していました。そう「健気」も「ひたむきさ」も「素直」もみんな死語になりつつある現代の一服の清涼剤であるのでしょう。
忙しさの中で消耗して、休肝日を無視して夜中に呑んでしまう数日を経て、反省、酒を飲まなかった翌朝の今日の爽やかさ。体調もいい。気持ちよく自転車を漕いで職場へ。仕事も順調でした。
でも週末である今夜は、かねての約束通り、久しぶりにかつての同僚と3人で呑む。これはまたおいしい。でも、ちょっと自制が効いていたようです。とことん呑まないで、来月の再会を期して11時過ぎに散会。それでこのHPを更新出来ています。
ここに至ったのは久しぶりに今夜会った友人が、このHPの読者であると改めて知ったからです。2,3日空くと病気かと思いますと。こんなささやかな文章を気に掛けていただける・・・ありがたいことです。毎日ちびちびとでも更新してこそのHPなんだと手前勝手に思い直したことでした。でも、いつまで続くことやら(苦笑)。
2007年4月27日 その1
「スナフキン」と「ミー」は兄妹だったんだ。父親は違うらしいけれど・・・。
エンタテイメント情報ーニュースより引用
米芸能・カルチャー雑誌「ピープル(People)」が毎年行っているランキング、「世界で最も美しい50人(Most Beautiful
People)」の2007年版第1位に、元子役スターで映画「チャーリーズ・エンジェル(Charlie’s
Angels)」に出演した女優、ドリュー・バリモア(Drew
Barrymore)(32)が選ばれた。
バリモアは過去に4回、同ランキング入りしている。今年はアンジェリーナ・ジョリー(Angelina
Jolie)、ニコール・キッドマン(Nicole
Kidman)、ジュリア・ロバーツ(Julia
Roberts)など、並みいる美女を押しのけて堂々1位を獲得し、27日発売のピープル誌最新号の表紙を飾ることになった。
バリモアは1982年、スティーブン・スピルバーグ(Steven
Spielberg)監督の「E.T.」に子役で出演し、名声を得た。出演する新作映画「ラッキー・ユー(Lucky You)」の公開が間近に迫っているが、同映画を配給するワーナー・ブラザーズ(Warner
Bros.)は、ピープル誌と同系列だ。
同誌とのインタビューで彼女は、「単に幸福が人を美しく見せるのだと思うわ。それだけよ」と述べ、内面的な幸せが今回の成功につながったと話した。
「幸せな人たちはきれいに見える。鏡のように幸福感を映すのよ」
また、1位に選ばれたことについて、「わたしのクジャクの羽を輝かせ、天国まで届かせること」だと評した。
今年の「世界で最も美しい50人」にはほかに、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、ジョージ・クルーニー(George
Clooney)、オプラ・ウィンフリー(Oprah
Winfrey)、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo
DiCaprio)、スカーレット・ヨハンソン(Scarlett
Johansson)、ジェニファー・アニストン(Jennifer
Aniston)、リース・ウィザースプーン(Reese
Witherspoon)、ハル・ベリー(Halle
Berry)、ジェニファー・ロペス(Jennifer
Lopez)などが選ばれている。
映画の前宣伝の匂いもあるけれど、プリデーサーも兼ねるパワフルな活動振りが評価されたのかな。10代前に大スターになり、10代で酒とクスリとスキャンダルで地獄を見て、20代で返り咲く。忙しい人生です。
私も、忙しさに押しつぶされそうになると、つい酒に逃げてしまう・・・それも深酒。それでも二日酔いしない強い肝臓を持ってしまった。しかし、ここのところ、疲れは深く内向して、心身を蝕んでいっているという実感を感じるようになりました。それでこのたび、深く反省。今夜は酒を断って休みます。明夜はまた宴会。
楽屋落ち 1
映画「かもめ食堂」のラスト近く、もたいまさこが「猫を預かったので帰れなくなりました」と言う。ドラマとしても重要なセリフだけれど、もたいまさこ(いい声の持ち主)のファンはあの人気番組「やっぱり猫が好き」を思い出して、にやっと笑ってしまうのです。あの番組で共演していたのは、もちろんこの映画の主演、小林聡美さんでした。
2007年4月21日
今週のお酒
「越乃柏露」
新潟県長岡市十日町の酒。すきっとして、きもちよいのどごし。Yさん、ありがとう。
「花酵母」
伏見黄桜酒造の庭に咲く「黄桜」の花の天然酵母で醸造した吟醸香のお酒。あっさり、すっきり。チョット飲んべえには物足りない儚げな味わいでした。提供者のKさんは時々伏見に出没してはる、お酒好きの素敵な女性。いつか「kan,bar」と並べて居酒屋を開こうと相談しあっています。
ハナミズキが開き、おおでまりや桐の花も咲いて、あちこちの街角、庭や野山が美しい。連休は一日は近くの山に行こうと思います。
友人から変と言われるのですが、歯医者が好きです。やさしく美しい女性のいる歯科医が行きつけであることもありますが、あのリクライングシート(診察台ともいう)に寝ていると気持ちがいい。よく眠ってしまって起こされる。前には治療中に眠りこんで、かんさん、起きてください!、口開けてくださいと言われたこともあります。
ここ、5年程、ゆく機会(理由)がなかったのですが、先日の花冷えで喉の調子が悪く、あめちゃん(大阪人は、おっちゃんでも「飴」を「アメチャン」と呼ぶんだね、変だよと、東京の友人に言われますが、ほっといてくれ!)を嘗めていて、思わず噛んでしまって、奥歯の「かぶせ」が外れたのです。
勇んで出かける羽曳が丘。笑顔で迎えられ、今日も診察台で眠ってしまいました。
最近読んだ本
「私たちが孤児だった頃」 カズオ・イシグロ
前半めちゃ面白かったので、読み終えるのが惜しくて、あえてちびちび読んでいたのに・・・ショック。後半、ぐしゃぐしゃでした。凝った作りで、ロンドンと上海を繋ぎ、第2次大戦前夜の上海で両親失踪の謎を追う名探偵、という心ときめく展開が、尻すぼみ。
親友のアキラとの再会と別れ、母との対面もあっさりというより、主人公の非情さが感じられ、共感出来ない。悲劇ならではの感動もない。「哀切な余韻」という書評もあったようですが、これは「後味が悪いだけ」。主人公に名探偵らしいキレが感じられず、冒険ファンタジーとしても半端。
私たちはみんな孤児なんだ、と言いたいのでしょうか?もし孤児になったとしても、新しい人間関係は築いてゆけるはず。ヒロインに愛されながら、これも半端に別れ、孤児(魅力的な女の子)を引き取りながら、きちんと繋がりを持てていない。
近来めずらしい「煮え切らないヒーロー」として記憶に残りそうです。「ダビンチコード」とそうでしたが、ここんとこ読んだ長編はなぜか半端な印象。本を閉じて、ほーっとため息をつかせるような新作に巡り会いたい。
2007年4月18日
バージニア工科大学の銃乱射事件と長崎市長の狙撃事件に関して、
友人のプログに「アニーよ銃をとるな」と題して
銃を取るくらいなら、ギターを取ろう。
銃は人の命を撃つが、ギターは人の心を打つと思うぜ。
とありました。簡潔にして、正鵠を得た文に頷く。
題は名作ミュージカルからのものですが
わたしはドルトン・トランポの「ジョニー・ガット・ヒズ・ガン」を思い出しました。
映画化もされ「ジョニーは戦場へ行った」という題で日本公開された作品です。
ふるさとに恋人に心を残しながら、ジョニーは銃を取り、戦場に赴く。
そして、銃の拡大版である爆弾投下にあって、脳と内臓、生殖器以外のすべての機能を失う
それは人類そのものの姿です。
花が散ったのに、さらに厳しい花冷え。
仕舞ってしまった冬物のボックスを見上げて、しまったと悔やんでも遅いですね(苦笑)。
2007年4月15日 その2
先週末の酒は「楽々鶴(ささづる)」。出石の酒です。お酒を一滴も飲まないのに、いつも出かけるたびに地酒をお土産に下さるYさん、ありがとう。独特の鄙びたコクのある原酒で、わたしには珍しくロックでいただきました。
建物ウォッチャーを自認するわたしが、今、行きたい、見たい建物のひとつが茶室「如庵」(じょあん)。犬山市にあるのですが、いつも素通り。戦国の武将にして茶人の織田有楽斎(信長の弟)の名作で京、東京、伊豆と数奇な変転を重ねてきた建物。
昭和17年にすでに戦禍を予測して、東京から伊豆に移築されたのですから、その価値がわかります。その後の東京空襲であれだけたくさんの名建築が灰になったのに・・・。
近年特に、静謐で薄暗い中の一期一会の空間、四畳半の世界に惹かれるようになったのも年のせいでしょうか。そういえば大山崎の「待庵」(たいあん)も見逃しています。
田舎に帰ったら、茶室が欲しい(部屋だけはいっぱい空いていますー笑ー)。その前に、義母にきちんと作法を教わっておかなくては。そろそろ日常でも着物を着る生活にしたいと思っています。父もずっと着物でした。あ、でも、やはりこれから夏はTシャツ、短パンが楽ですね(笑)。
2007年4月15日 その1
花冷えもやっと一段落?やっと冬物の整理する余裕と気分になりました。早朝からタンスを開け閉め、クリーニング屋さんに3度通い、やっとめどがついたころに地震。今回も結構揺れました。四国の母から心配して電話あり。
それにしても、これを機会に、あまり袖を通さないセーターなど大量に処分。袋に詰めるときはちょっと寂しい気もしたけれど、今はすっきりした気分です。一回に着れる服は一着。たくさんあっても、荷物になるだけ。これからは処分と補充のバランスをとって、クローゼットがすっきりするよう気を付けたいと思っています。
前にも書いたかもしれないけれど、曾野綾子さんのお母様が亡くなった時、衣服もほとんど生前にご自分で処分していて、片づけに半日も懸からなかったと書いてはったっけ。幼い頃、綾子さんと母子心中を図ったりした母親だったけれど、晩年のありかたはなかなかだったと・・・。かくありたし。
午後から先日オープンした府営石川河川公園の駒ヶ谷地区へ。自宅から自転車で5分。人工の丘を造って、芝生を敷き詰め、滑り台と散歩コースがあるだけだけれど、それがいのでしょう。芝生でバーベキュ−をやっている家族多し。丘からは西に石川、東に二上山。
公園の向こう側がすぐ近鉄駒ヶ谷駅。帰りに前から気になっていたカフェ「エイトバース」に寄ってみる。店名はジャズの8小節の掛け合いのこと。店内はウッディな感じで、物置のような中2階にドラムやベースが置いてある、レコードでジャスが流れ、小さなオープンカフェもあり、雑多でおもしろい雰囲気。ポンとカウンターの隅に、今時珍しい「ちびくろさんぼ」の絵本が置いてある。4時頃という半端な時間だったけれど満員。今度は夜(12時まで営業)に行って見よう。
駒ヶ谷、古市は山が近い分、自然がより身近に感じられます。もう藤や躑躅も咲き始めていて、これからが一番美しい季節です。
最近読んだ本(4月15日記)
「明日見る夢」 瀬戸内 寂聴
「縁起のいい客」 吉村 昭
「忘れないでねわたしのこと」 内館 牧子
「村上ラヂオ」 村上 春樹
「京都大好き」 寿岳章子
それぞれ個性豊かでおもしろかったけれど、昨年亡くなった吉村昭さんの、無駄の無い(無さ過ぎ!)の文章に新鮮な感銘を受けました。
2007年4月13日
桜吹雪
風に舞い、校庭に散り敷く無数の花びら。歌舞伎の舞台のようです。いや、舞台が自然を模しているのでした。先週の吉野の花見の時、大阪ではとっくに終わっていた木蓮の花の時期と重なっていました。あちこちに白木蓮の花が花期を終えて梢で朽ちはじめている。蕾から開花まで清純で美しいのに、木の枝に残ったまま、茶褐色に腐ってゆく・・・。
桜はその点、散り際の潔さで愛された面もあるのでしょう。それが武士道や特攻隊のイメージに重ねられ、誇張されたきらいもありますが、桜は散りざまもいかにも美しい。
散る桜 残る桜も 散る桜
大阪ええとこ(4月13日記)
今年の桜は暖冬で開花が早めだったのに、3月末から4月になって花冷えが続いたせいか、寿命が長いようです。大阪の桜の最後を飾る造幣局の通り抜けも、いつもより早めにセッティングされたようで、最終日に行ったのにまだ蕾の木が多かったです。人々も通り抜けよりまだ見頃の大川端の桜並木と屋台の方に集まっていて、例年以上の人出でした。
寝屋川と大川が合流する、川幅が広くてビルの谷間からライトアップされた大阪城が望める地点が私のお薦めスポット。目の前で屋形船や遊覧船が大きくターンして花筏を揺らす、向こう岸の花も美しく、時折、地下の天満橋駅を抜けた京阪電車がごおーっという音と共に姿を現し意外なほどの急坂を上ってゆく。京橋駅は高架なんだ。
友人4人と柵に凭れて、まず、ビール。そして、コンビに買い込んできた、各地の銘酒のワンカップを少しずつ分けて飲む。それぞれ仕事でめちゃめちゃ疲れていたのですが、恒例なので互いにメールで叱咤激励して集まったのです。でも5名のうちひとりはよう来ませんでした。
あたたかな宵、川風に吹かれて、花吹雪の下でほろ酔い気分、4人揃って、やっぱし来てよかったなあ、と嘆息。
映画ダイスキ
「かもめ食堂」(4月13日記)
BSで4月初め?に放映。この夜は世界シンクロ、フィギアスケート、サッカーの国際試合とあったのですが、迷わずこちらを選びました。(放映後、ミキティの金メダルには間に合いました。)
群ようこ原作、気鋭の荻上直子監督、小林聡美主演、片桐はいり、もたいまさこ共演とくれば、これだけでこの映画の成功は約束されたようなもの、プロデューサーはすご腕です。
フィンランドの港町にやってきたヒロインは日本食堂を開く(メニューはおにぎりがメイン)が、当初もちろん客は来ない。日本のアニメファンの現地の青年がただで飲ませてもらえるコーヒー目当てに来るばかり。それでもヒロインは毎日食器を磨き続ける。それをそっと覗き込む人々。そこへふらりとやってきた日本女性が次々住み着くことになる・・・。
脚本がうまい!冒頭の「誰だ!?誰だ!?誰だ!?」という「ガッチャマン」の歌の使い方、空港で荷物を失くしたもたいまさこが、毎日、航空会社に電話して言う「私の荷物は見つかりましたか?」というセリフ。その他「猫を預かったので帰れなくなりました」・・・。
「アイデンティティ」なんて難しい言葉を使わないで、観客にそれを上手に伝える技術は高等で巧みです。
すべて現地ロケ。回想シーンも入れず、3人の過去も明らかにしないから、却ってすっきり、ヒロインが現地で生きて、現地の人々に受け入れられてゆく過程が納得できる。大きな事件もヤマ場も愁嘆場もないけれど、さりげなく胸に残る佳作です。
エンディングに流れる陽水の「クレイジーラブ」もいい。未見の方はオススメ。
2007年4月12日
飲み食いが激しく、エンゲル係数が家計を逼迫している菅家ですが、ありがたいことにお酒だけはいつも到来モノあり。まず3月の末は「紀伊国屋文左衛門」、和歌山海南市藤白(有間皇子ゆかりの地ですね)、少し甘みがあるけれど、切れ味の良い酒です。提供者のKさん、ありがとう。次回は湯浅か白浜(別荘をお持ちなんですね、うらやましい)のお酒をよろしく!
「沈黙は金曜日」永 六輔 編
「好きな人がいて、旨いものがあったら誰かて、そこへ行きまっせ。好きな先生がいて、旨い給食の出てくる学校が嫌いになるわけないやろ」
弁当や給食、食堂は学校生活の大事なポイント。我が校は今、食堂が営業しておりません。
「辞職したり、逮捕されたりする知事のいる県は、なんや生き生きしているもんでっせ。悪いことしている連中は緊張してますよって、それがいきいきにつながるんですわ」
なるほど、そういう見方があったのか。目からウロコ。でも、知事の汚職が続出して、どこがどこやらわかりません。その割に地方は元気ないし・・・。
2007年4月10日
朝日に輝く桜も勢いがあってきれいけれど、夕陽に浮かび上がるちょっと疲れた桜も美しい。大和川の畔の2本の大樹、石川堤の若い桜並木、それぞれ通勤路の楽しみですが、今日は落下盛ん、今年の桜ももう数日です。
今日は離任式。これは寂しい行事です。これで本当に職場で同僚と別れてしまうという感じ。あと歓送迎会は外(レストランやホテル)で行われます。別れの挨拶もそこそこに新しい職場に向かう姿に、もう同僚ではないんだなあ、と改めて実感。
年度初めは緊張感もあって疲れが蓄積してゆく感じです。年のせいもあるのでしょうか、いくらこなしても仕事が減らない、自分の処理能力が落ちていると実感。
あわただしい動きの職場の中で、離任式後もあちこち丁寧に挨拶してまわっている退職した同僚のゆったりした様子がうらやましくて仕方がありません。彼は今夜は呑みに行くのだそうです。なんで?せっかく都会に出て来たときにあちこち寄らないとな、一緒に行かへん?ごめん、その元気ないわ・・・。
2007年4月9日
夜桜で酔いどれた金曜日の翌朝、先月誕生日だったのに、脳の検査でお祝いを先延ばししていた義母の為に、吉野の花見をセッティングしていました。ところが天気予報を裏切って、雨。でも、二日酔いを押して出かけました。
結局、旅館の露天風呂と昼食でおしまい。でも雨に煙る中千本の花でよしとしましょう。昼食はおいしかったし・・・。上千本、花矢倉はまったく見えず、足下も悪く歩けず。そういえば、去年も雨でした。
焦って切り上げた金曜の仕事の整理に日曜は出勤。でもなぜか仲間が来ている。わいわいいいながらやっと新学期の仕事のペースがつかめてきました。
月曜、始業式。さっそく授業もありましたが、一方で今年度の仕事の生活指導。喫煙で捕まった新入生の事情聴取。つっぱっているが、よくみると幼くて可愛い。化粧したらなんであんなに下品な顔になるんだろ?と嫁ハンに訊いたら、それは、ただ流行でメイクしている(目を大きくとか、眉ははやりの形とか)だけで、自分の顔を見ていないからよ、と言われて、なるほどと納得。
それにしても、学校の近くのコンビニの駐車場で2時間以上も車座になって胡座で喫煙。これじゃあ通報されるわな(苦笑)。
最近読んだ本(4月9日記)
「春情蛸の足」田辺聖子
おでん、うどん、お好み焼き、すき焼き・・・関西の味にかこつけた大阪舞台の短編恋愛小説。それぞれオチは辛口だけれど、語り口のうまさで気持ちよく読まされます。
「我が心の春秋」 潮文社
アマチュア俳句、短歌の優秀作をテーマにその背景を文章で補う企画。でも、ドラマチックな話なのに胸に迫って来ないのは、文章の力の差。やはりプロとは違います。
2007年4月8日
東京都民ではないから、都政の実感はわからないけれど、なぜ石原知事があれほど支持を受けるのがわかりません。対立候補が弱かったのかなあ。あれだけ数々の失言、暴言もあったのに・・・。強面(こわもて)、強弁、押しの強さがカリスマ性とみられるのでしょうか?
某大臣の「女性は子どもを産む機械」発言の時、林真理子さんが、石原さんはもっとすごいこと言っているのに、マスコミもなぜ採り上げないのだろうとエッセイに書いていました。みんな、噛みつかれるのがこわいのね、というわけです。
オリンピックで引きつけて、それで目前の様々な問題から目をそらせてどうする?教育や貧困の問題が先決ではないのでしょうか?
「あかちゃんポスト」の文章に共感のメールをいただいて感謝。現実になんとか対応しようと苦慮している人々の実践を見守りたいと思います。
2007年4月6日
夜桜宴会をセッティングしているのに、仕事が終わらない。焦ると余計にミスをしそうになる。メンバーは6時過ぎに集まって飲み始めている様子。必死で片をつけて、7時に自転車に飛び乗り、藤井寺へ。駅前の公営自転車置き場に340円払って預けて電車に。その間にも食べ物がなくなるでーとかなんとかメールでプレシャーをかけられる。
富田林からバスに乗り換え5分。バス停から走って8時過ぎに会場である友人宅へ到着。汗。食べ物はちゃんと残しておいてくれていました。ここの奥さんは料理の達人で、近所の元PLランドの桜の花びらを集めてテンプラにしてくれている。その他手作りの酒のアテがふんだんにある。酒は天野酒、「なまくら」。おいしい。一気に呑んで泥酔。
宴会果てて、みんなで駅まで走って、電車に乗ったとこまでかすかに憶えているけれど、あとは朧。電灯もつけっぱなしで服も着たまま眠っていました。どうやら、メンバーのひとりで近所に住む若い友人(30才)がマンションのエレベーターまで送ってくれたらしい。こんなことは年一回あるかどうかです。深く反省。
でも、南河内随一のスケールの元PLランドとその周辺の桜は見事でした。
熊本の病院の「あかちゃんポスト」設置が論議を呼んでいます。子捨て助長に繋がるなどと首相も否定的な意見を述べていたみたいだけれど、私はこのシステムに基本的に賛成です。殺人や虐待、放置などのことを思えば、その気の毒なあかちゃんを護る手段です。
ドイツ、オーストリアなどでたくさんの実践例があるようです。センサーが付いていて、子どもを置いた後、親が立ち去るのを待って数分後に医療スタッフが駆けつける態勢もあり、親へのメッセージなどもきちんと用意されている。そのメッセージの翻訳を読んで感動しました。ドイツでは半数の親が1年以内に引き取りにくるとか。
追いつめられた親とあかちゃんの緊急避難の場所と思えば、これは貴重な存在かも。ええとこは取り入れてうまく運営してほしい。ただ、ネーミングに問題はありますね。「こうのとりのゆりかご」という表現もあるらしいけれど、これは言いにくい。
2007年4月5日
朝、5時45分に朝陽が上ってきます。石川の水面が煌めいて美しい。朝陽の中で石川沿いの満開近い桜の並木の下を自転車で気持ちよく走る。
でも、実は一昨日の朝は突然雨が降ってきて大変でした。家を出るときまでは晴れていたのに、急にかき曇って、職場までにしっぽり濡れ、着いたらからりと晴れている。天気情報でも降るなんて言ってなかったのに・・・。濡れたのは初めて。降りそうな時はいつも電車でした。これは腹が立つ。職場にシャツの着替えはおいてありましたが、ズボンはそのままだったので冷たかった。また風邪が長引きそうです。
今日も一日めちゃ忙しい。入学式はなんとか終了。疲れ果てました。夕方ソファで20分眠り、また8時までがんばる。明日が学期始めの仕事のピーク。そのあと夜桜を見に行くプランを立てました。それを励みにあと20時間、がんばります。
2007年4月4日
めまぐるしい年度初めの日々。重たい会議が目白押しで疲れも蓄積してゆくのがもろに感じます。目が痛い、体が重い。でも、午後8時を過ぎても20人余りが職員室に残っています。疲れがピークのはずなのに、テンションが上がってみんな妙に明るい。うちの職場のええとこだけど、これって心配。だれか倒れるんじゃないかなあ。
「買い出しに行ってきまーす。ご用は?」と若手の先生が声を掛けてくれるのだけれど、ありがとう、ゴメン、お先にと失礼。入学年次や教務関係の人はまだまだ残る気配です。
明日は入学式。花冷えで校庭の桜もちょうどいい具合に残ってくれそうです。自転車で大和川の堤に出ると、17夜の月が昇って、昼間は濁っている川の水面が、一面きらきら光って美しい。なんとなく「ムーン・リバー」を口ずさんでいて、・・・マイハックリベリーフレンド・・・のフレーズに来て、ふるさとの中学以来の友を思い出しました。もう、40年近く病床にあり、今も入院透析中。彼の闘病を思うと、これくらいでしんどいなんていっちゃおれんと、思わずペダルに力が入りました。
忙しい中での楽しみは読書。寸暇を惜しんでちょっとずつ読む。今はカズオ・イシグロの「私たちが孤児だったころ」。日本生まれの私より若い作者は、イギリスに渡り、80年代にデビュー。長編3作目の、映画化もされてヒットした「日の名残り」でブッカー賞。現代イギリス最高の作家と言われる。その第5作目の翻訳(入江真佐子訳)を楽しむ・・・こんな時代が来るなんて・・・。
1930年代の魔都上海から始まる、サスペンスに満ちた冒険譚。主人公の少年が上海の雑踏の中で信頼していた叔父に置き去りにされるシーンはドキドキします。構成、人物造型ともに見事です。
一気に読めないので、却って楽しみが長引いてうれしい気分です。
2007年4月3日
昨日が旧暦2月15日。「願はくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月の頃」と西行が詠った日でした。西行はその願い通り、2月16日、すなはち今日、花の下で亡くなったのです。一種の自殺かも知れませんが・・・。昔の人は死期を悟ると、食事を絶つといいます。本望だったでしょう。 亡くなった河南町、弘川寺の桜も満開近しのようです。
忙しくて、その毎年行っている弘川寺へも行けそうもありませんが、忙中閑あり、昼の休み30分を使って校舎の中庭で、教科の花見の宴。注文した花見弁当(1050円)もおいしい。7分咲き。桜茶に花びらが散る。これで酒があったらなあ・・おっと、あぶない、それは贅沢、御法度です。
2007年4月2日
年度初め。昨日までは馴染んだ顔との別れが辛かったけれど、今日は一転、新しい顔ぶれを迎え、妙にテンションが高い一日でした。また、面白そうなメンバーが揃って、楽しみです。
初ツバメを1週間前に見ました。ここ数日は巣を探してあちこちの軒先をうろうろしている鳥をよく見かけます。だれに教わったのか、人の気配のする所に営巣して、天敵から身を護るってすごい発想、智恵です。
ツバメは歓迎してやりたいけれど、フンが多くて大変という話もよく聞きます。四国の実家では、表の門だけでは飽きたらず、裏の木小屋の軒にもたくさん来るので母が弱っています。そこは雨の時に洗濯物を干すからです。
退職して今日から「毎日が日曜」の友人。こちらが走り回っている昼前にメールして来て、
「今、起きたけれど、これからなにしようかな?」
夕方、会議でへばっている頃に
「これから○○に呑みに行くけど、来る?」
みんなで「バカヤロー!」というメールを送っておいて、もちろん○○へは寄らず、まっすぐ帰って来ました。
娑婆では、また明日からも忙しい日々が続きます。
2007年4月1日
夜来風雨声 花落知多少
雨風はありましたが、四月を迎えた陽気に一気に花が開きました。
そして、「親しい人と別れることは、自分の一部が死ぬこと」という言葉がありますが、それが実感される春です。
連日の送別会。
一昨日から昨夜までは、退職して南の島へゆくという同僚にして彫刻家のH氏の送別イベント。2006年度の残務整理、新年度の準備をしながら、職場を挙げての24時間リレーマラソン、そして市内のホテルでの送別パーティ。盛り上がって大笑いしながら、同時に寂しさを噛みしめていました。
彼の引っ越しは大変でした。彫刻作品やその材料は重い。2トントラックで奈良まで2往復。ちょっと危険な作業でもありましたが、雨の中、チェ−ンで大きな材木も吊り上げ、下ろし、転がし・・・男5人が力を合わせて必死の連携プレー。でも、すごい充実感がありました。そして、がらんとなってしまった準備室で、彼がいなくなることを初めて実感しました。
一緒によく呑んで騒いでボロクソに言い合える、貴重な友でした。南太平洋まで会いに行こう。
今日は国際結婚してスペインに渡るかつての教え子(英語教師、女性)の送別会。定期的に会って勉強会をしていた仲間でもあるので、こちらも寂しくなります。相手とは英国留学中に知り合ったらしい。嫁ぎ先はジブラルタル海峡の西、大西洋に面した港町らしい。そこへも退職したら是非行きたい。イタリア、スペインは憧れの国です。
別れは辛いけれど、世界が新しく拡がると思えばいいのですね。それにインターネットがあるので、距離を感じなくてすみます。
「沈黙は金曜日」 永 六輔 編 より
「人間になる前に、男にされたり、女にされたりするからいけないんだよ。まず、人間にならなきゃ」
同感。大人になる前に親になってしまう子どもが最近多いです。
「和解っていうのは、トコトン戦ってからするものです。最初から和解しようとする交渉は、交渉じゃありません」
「大金持ちで幸福な人っていません。そこへゆくと小金持ちには幸福な人が多いですねェ」
ナルホドナア。「小金持ち」になりたい。今日発売の宝くじを買いました(笑)。
逝く人 来る人 (4月1日記)
2月26日 高松英郎さん(俳優、77才)
真面目で一本気な役柄を続けていたと思っていましたが、最初は悪役だったそうです。セリフは事前に暗記して、靴を磨き、スーツを着てスタジオに入る。亡くなる前の日までロケに参加、深夜帰宅して、家族を起こさず就寝、朝、死んでいたそうです。ほんまに真面目な俳優人生でした。
3月15日 スチュワート・ローゼンバーグさん(テレビ演出家、映画監督、心臓発作、79才)
「弁護士プレストン」で評判になり、映画に進出、「ブルベイカー」などのサスペンススリラーで職人的な手腕を発揮しました。
3月17日 船越英二さん(俳優、脳梗塞、84才)
甘くて明るいハンサムと思っていましたが、1959年「野火」でキネマ旬報主演男優賞を受賞していたのですね。晩年はテレビのホームドラマなどでも活躍しました。女優にうまく合わせる男優でした。その血は今2時間ドラマのキングと呼ばれる息子、栄一郎さんにしっかり受け継がれています。
3月22日 城山三郎さん(作家、肺炎、79才)
経済小説の分野を確立したといわれますが、すべての作品において題名がうまい。「毎日が日曜日」「総会屋錦城」(直木賞)「もう、君には頼まない」「落日燃ゆ」「粗にして野だが卑ではない」・・・冷徹な批評と反骨精神がその背骨を貫いていました。
そして植木 等さん
無責任男を演じながら、いやみにならなかったのは彼の真面目なキャラクターがなせることだったのでしょう。渥美清が嫉妬したと言われる人を明るく包み込むパワー。でも彼も渥美清をうらやんでいたと最近聞きました。晩年の演技派への転身はそれもあったのでしょうか。
3月31日 引退 宮本文昭さん (オーボエ奏者 57才)
「腕が衰える前にちゃんとした形で自分を封印して、もう自分を汚したくなかったんです・・・」絶頂期での引退宣言。わかります。