Kan-Kan の雑記帳



2010年12月31日
 
「こりゃ誰だ この歌なんだ 大晦日」 サラリーマン川柳より
 
「紅白歌合戦」も私の知らない出演者が増えました。
「AAA」という出場グループ名を「トリプルA」と読むと、先日知りました(笑)。
 
かつて、紅白は9時からの2時間45分番組で、その前にレコード大賞授業式があって、
日比谷の帝国劇場から渋谷のNHKホールへのスリリングな歌手送迎があって・・・
いや、その前は、紅白は有楽町の東京宝塚劇場で開催されていたんだよ
などと言うと、若い人はえーっと驚いています。
 
友人からチケットをもらったので大掃除をほっぽらかして
またまた嫁ハンと出掛けてきました。
 
フジテレビが贈る 夢のスーパーサーカス特別企画!
日本初の期間限定エンタテインメント&レストランが誕生!
新しいスタイルのシアターレストラン『ルナ・レガーロ』(月の贈り物)
ロシアが世界に誇る“グレート・モスクワ・サーカス”の空中パフォーマンスが目の前で展開され、お客様を飽きさせないライブ演出に加え、日本を代表する名店のスターシェフたちによる豪華料理の数々も楽しんでいただきます。
華麗にしてエキサイティング、そして“美味しい”ショーが、みなさまを非日常の世界へと誘います。
世界最高峰のパフォーマンスとスターシェフたちがプロデュースする、究極メニューの奇跡のコラボレーション
 
こんな惹句にも引っ張られ、寒い中、中之島の特設テント会場へ
昔のサーカステント小屋のイメージ(あれも懐かしい)と違って、こちらは豪華な仕掛け
赤いベルベットの壁に赤いガラスを散りばめたたくさんのシャンデリア、
すべて月をイメージした造りと料理、BGMはオオカミの吠え声
階段状の客席テーブルに取り巻かれた丸いステージ(これが自在にせり上がる)
そう国技館のミニ版のようなものです。
なんと正面の一番前の席でした。
それで料理も真っ先にやってくる(笑)。
月代わりに4人ずつのシェフが料理をプロデュース
今月は和の前菜、イタリアン、中華、のメインディッシュ、デザートはフレンチ
それぞれおいしくて、4つの料理の間のパフォーマンスも満足
ダンスと離れ技、空中演技を融合させて迫力ありました。
目の前に見る流石に美しい肢体と動きに感動。
 
映像のによる案内は唐沢寿明
舞台の進行係りはフジテレビの奥寺アナウンサーでした(二人とも過激なメークで初めわかりませんでしたー苦笑)
真面目そうな奥寺さんが一生懸命盛り上げているのがおかしい。
ご本人に伺うと、30日と31日だけの出演だとか。明日帰京するそうです。
フジや関西テレビのアナが交代で司会を努めているのだそうです。
 
とにかく3時間、飽きさせません。もしまだなら「五つ子の会」の新年会(1月26日まで)に打ってつけの催しと思いました。オススメです。
2月例会は嫁ハンのライブでよろしく(笑)。
 
唯一の難点。今日は寒すぎました。暖房が効かなくて(笑)。
 
帰りの近鉄デパ地下の混雑はすごかったです。嫁ハンはすいすい。私はヨタヨタ。
 
古市に帰り着いたら、駅前の花屋さん(テニス仲間)が黄色いチューリップをくれました。
 
駅前の整骨院で今年最後のマッサージ。
田舎から貰ってきた蜜柑とキウイを差し入れる。
 
若いスタッフ達に、今夜何を見る?
そりゃ、「ガキの使いやありゃせんでです」(ウチの息子も同じく)。これが3名。
僕は格闘技です。これ2名。
「紅白」を見るというのは私ひとりみたい(苦笑)。
 
今年もいい年でした。いい年の暮れでした。
 
来年は介護も本格化。大変みたいだけれどがんばります。
 
どうぞよろしく。
 
みなさまよいお年を!

2010年12月30日
 
「 流れゆく 大根の葉の はやさかな 」
 
作者は、しばらく考えて・・・虚子でしたよね?「はやい」のはもちろん、切られて放られた大根の緑の葉だけでなく、「歳月そのもの」なのでしょう。
 
 昨夕、実家の前の畑で弟が作ってくれた大根を抜きました。実家と畑の間には小川があって、抜いた大根はそこで洗うことにしていたのですが、これが冷たい!(苦笑)。今頃、思いつきました。家まで持ち帰って裏庭の井戸水を汲み上げた水道で洗うのです。冬の井戸水はあったかいのです。おでんにしたらおいしかった。今年は良作。大阪に持ち帰る分は、土の付いたまま新聞紙に包みました。あと、白菜、キャベツ、檸檬、酢橘、春菊もいただく。
 
 12月24日は久々、記憶に残る綱渡りの一日でした。午前3時に起きて賀状の仕上げと印刷。6時半までやって出勤。午前中授業。午後、面接練習、懇談、入試センターとの連絡(これがややこしい、今、思い出してもその対応に腹が立つ!また別項で報告します)、急な調査書の仕上げと発行をして、急ぎ6時過ぎに帰宅、1時間だけ仮眠して、賀状の印刷仕上げ、8時半に仕上がって、帰省の荷造り、8時50分に家を出発、9時半南港フェリー乗り場着。10時半出航。ぎりぎりセーフでした。
 
 それからの時間の流れは別の世界のことのようでしたが、そちらも結構「濃い」もので、今朝7時、帰宅してから数時間は意識不明で眠ってしまいました(苦笑)。午後には復活、仲人への暮れのご挨拶に伺い、これから大掃除です。
 
 四国の旅報告
 
 不断桜(冬桜ー花びらが薄くて小さい)と山茶花が咲く故郷の年末です。
 
 どんなに忙しくても確保している旧友Nとの半日故郷探訪ツアー。実はこのHPの読者にも悪友Nのファンがいてくれて、「今度はどんな目に遭わされるのか楽しみですね?」というメールもいただきました。ご期待通り?今度も大変な目に遭いました(笑)。
 
  隔日にある彼の透析の間を縫って、あらかじめ26日午前に日時設定。プランはジモティ(地元民)の彼に任せています。朝9時半にNの自宅に迎えにゆく。走り出してから、さてどこへゆこうとか、というええかげんさ。
 
  車の首を西から東に転じて、夏に行った隣町の明堂院の近くに行く。夏に行き残したこの堂の上の重茂山(じゅうもさんーN曰く「本来は十文字山(じゅうもんじさん)でキリスト教信仰の地でもあったのでは」という意見ー私も納得ーかつて、山城があり、藤原純友に滅ぼされるまで栄えていたらしい)のいただき近くにある「おひつ岩」(村人が行事の際に御願いすると大量のお櫃を貸してくれたという伝説から)を見に行くことになる。
 夏は草が生い茂っていて、歩きにくく、蝮の危険もあったので私が反対したのです。櫟の落ち葉が深く積もった山道は例によって判別出来ず、這うように滑りつつ適当に登る。通勤用の靴を履いて来た私は見通しの甘さを反省。靴を汚して小さな木の橋を渡り、辿り着いた先にあったのは、教室ほどもある安山岩の巨岩。
 数ミリの小さな葉の薄緑の蔦が這っていて、とにかく風格あり。大きさに圧倒され、またその岩を砕いて根を張り伸ばし、伸び続ける木々にも感動。Nは転んで枯葉の上をスキーのように滑りつつ進む。その後ろに服が汚れるのを気にする私がいる。
 
 次は山を越して、玉川町へ。ここの「近代美術館」へ。大きなAコープの裏に建つ洒落た建物。入り口に朝倉響子の彫刻「少年」。おや、コレはただものではないぞ、という気配。
 
 この町出身の素封家のコレクションの寄付というけれど、浅井忠、黒田清輝に始まって藤田嗣治、池田満寿夫まで。海外ではピカソ、マチス、シャガール、ミロ、ダリからウォーホールまで・・・小品が多いけれど、バラエティに富んだすごい作品群。展示も見やすく、休憩コーナー(本当は喫茶がほしいというNー同感ー人手がない!)の大きな硝子窓の向こうに広がる田園風景も絵のよう。すっかり気に入ってしまいました。客が3名というところも(笑)。
 
 Nからは私の見るのが速いという苦情。でも、気に入った絵だけじっくり見て、後は走らないと、それぞれの絵に籠められた怨念というかパワーに魂が吸い取られそうに思うのです。心に残った数点を胸に入り口にくると絵の写真が10枚売られている、その中に偶然、気に入った作品が2点あったので買い求める(1枚100円)。
 ホール・シニャックの「荷揚げ中の伝馬船」ー明るい風景と軽快なデッサンに気持ちよい拡がりがあります。
 もう一点は「B婦人像」ー松本俊介、未完成の荒い作品だけれど、凛とした風情があって好き。この人の作品が他に数点あって今回の新鮮な出会いでした。
 作者が幼いときに発病、聴覚を失っていたということ、子供のころ父の仕事の関係で岩手にいて、父親と宮沢賢治と親交があった・・・絵を見た後、そんなことを知ってなるほどと膝を打つ点も少しありました。この冬の旅、ここまではまま快調(この項、明日も、来年も?続けます)。
 
 テレビを聴きながら打っています。レコード大賞の授賞式。新人賞にノミネートされた歌手がインタビューで「家族のみなさんにお礼を言いたい」というコメント。おいおい、「家族のみなさん」はないやろ?と突っ込む。ノミネート段階で予定されたインタビューだから、練習というかチェックくらいしろよ、してもらえよ、と思います。そもそも家族を出すこともないのですが、それは今更言わない。せめて、敬語だけでもきちんとしなはれ。
 
 司会のひとり、美女、藤原紀香さんは黄色の大振り袖で。それに結い上げた大きな頭。昔「塩沢とき」さんていたなあ。そんな感じ。大柄な上に黄色の振り袖・・・充分目だっているのだからせめて頭は控え目に。傍の堺正章が小柄な分だけ異様でした。「ほどほど」というのはそんなに難しいこと?
 
 今を時めくAKBなんとかというグループのパフォーマンスを見て・・・
嫁ハンが「並び方も動きも揃ってないねえ」と言う。
「それがウリなんじゃないの?」と私。「韓国の女子グループの軍隊調の整った美しい体形、動きでない分、学芸会的で親しみが持てるんじゃないかな?」
「でも、本人達は揃っていると思っているのでは?」
「本人たちは一生懸命演っていて、揃っていると思っていても、そう見えない素人ぽさがプロデューサーの狙いじゃないのかな?」と私。
 めずらしくアイドル論議になりました。
 
2010年12月23日
 
「 持ち上げて 力余りし 落葉籠 」 朝日俳壇から 八尾市 梶本さん
 
 大きさの割に軽いのですね。拍子抜けで体のバランスを崩したりします。
 
 昼飯も食べられないほどバタバタしている師走。今夜やっと賀状の印刷をします(苦笑)。
 
 その忙しさを縫って、底冷えの京都へ。二条城前のホテルで美輪明宏のディナーショー。嫁ハンの知人(舞台音響関係の方)からプレゼントされたもので、これは行かにゃ勿体ない(ひとり3,5000円らしい)。7時半から簡略コース(フルではない!でも、おいしい。ワインは飲み放題)のディナー。9時から1時間足らずのショー。予想に反してあまり喋らず、歌はしっかり。でも、半分以上フランス語で。その解説を早めの日本語でしゃべるのだが聞き取れない。例の黄金色の髪に黒い豪華なドレス(金の細かい刺繍が入っている)。客席も着物が溢れてこちらも見ものでした。帰宅したら午前1時でした。
 
 23日の休日は、4年前の卒業生7人と学校でミニ同窓会。教科準備室をクリスマスバージョンで飾って、持ち込んだサンドイッチや料理、ケーキなどをつまみながら、近況報告で盛り上がる。私はサンタクロースの恰好で相手しつつ、明日の授業のプリント作製。最後にプレゼント交換(私はジャージーが当たる)して楽しい半日でした。
 
 さあ、明日はハードな最後の一日。授業を終えて夜のフェリーで帰省します。
 
最近読んだ本
 
「探偵ガリレオ」 東野圭吾
「夢にも思わない」 宮部みゆき
 
どちらも軽く楽しく読ませる。これは作家の力量ですね。

2010年12月19日
 
 「 年逝く句座にみなつどひみなわらふ」
 
 読売俳壇より 宇都宮 半田さん
 
 ターシャ・チューダーの庭造りの映像をテレビで見ながら。絵本作家の彼女は90才。60才から30年の年月をかけてバーモンド州の山奥に理想の庭を造りました。庭造りは夢のひとつだけれど、この年と街暮らしでは無理と諦めてマンションに移って5年目ですが、まだ間に合うのかなあ。帰省すれば実家の庭が待っているけれど・・・。来年3月以降の身の振り方にいろいろ迷うこの頃です。
 
 今日の読売朝刊の3面に古市駅近辺の人間模様が。駅付近で見かけるというホームレス風の老女をきづかった投書から、同じく古市近辺に住んではるらしい記者2人が取材に来たという記事。駅前の聞き込みであっという間に情報がいっぱい集まる。さすが郊外の小都市。人情も健在。でも、その婦人は見つからず仕舞。わたしも見かけたことはありません。
 
 最近印象に残ったもうひとつの記事
 
 福井県、東尋坊の自殺防止NPO代表 茂さんの言動
 
 3年間で121人を踏みとどまらせた元警察官。最初は交通費を渡し、役所に相談しなさいと言って別れることが多かったが、その後他の地で自殺したと聞き、しっかり付き添い、支える杖が必要と痛感、本腰を入れ始めた。本人に代わって実家や職場に電話、交通費を立て替え、居住地まで付き添い、生活保護の申請を手伝う。NPOは火の車。年間100万以上の赤字は仲間の援助や自身の持ち出し。普段は名物「おろし餅」を売る茶店の主だそうです。
 
 自殺防止相談の基本は「しからず、励まさず、いさめず、笑わず」とのこと。
 
 息子曰く、そんなん、やりすぎ、甘やかしすぎ。それもわかるがこういう方も必要な時代なのでしょう。年間3万人を越す自殺者がいる国なのですから。
 
 海老蔵の記事が相変わらずマスコミを賑わしているけれど、どこに着地するのでしょう。驕り、思い上がり、いろいろバッシングを受けているけれど、彼にとってはいいことだと思います。名門の家にただひとつの存在として生まれ、しかも容貌と才能とオーラに恵まれている(その点、お父さんは気の毒でしたー声とオーラに欠ける)。50代で花開くように、この機会にしっかり精進し直してほしいと思います。
 
 どうしても藤山寛美さんを思い出す。私生活はしっちゃかめっちゃか、借金もすごかったけれど、何年も主役の興業を続け、一度も舞台に穴を開けなかった。昼夜6本の演目に主演、終電で北陸の温泉に出掛け、旅館で芸者さんを総揚げ、朝まで騒いで始発で帰阪して見事な舞台を努める。それでこそ、一流の役者です。
 
 先月の嫁ハンの西中島でのライブの後日談。あの時、嫁ハンの友達が来日中のアメリカの友人、初老の男性をお連れしていた。英語の出来ない私は軽く挨拶しただけだったけれど、実は彼はもと警察官。あのキング牧師暗殺事件の時の犯人逮捕に関わった人物だったのですって。今日知りました。そうと知っていれば、ちょっとお話したかった。退職したら語学も習おうと思っています。
 
 あ、嫁ハンのHPが10年ぶりにリニューアルされて、ここんとこ頑張って更新しているみたいです。また、見てやってください。それから、毎年11月に実施してきた、太子町「サントル・ドゥ・ビラージュ」でのライブは、今年は見送りましたが、来年2月11日に行うそうです。こちらもよろしく。
 
 13日から禁酒して、17日のダイエット競争の計量もクリアしたのに、忘年会が続き17日の一夜でリバウンドしてしまいました(苦笑)。18日の忘年会は駅前の居酒屋の常連さんの初めての顔合わせ。私は常連というほどではなにいのだけれど、先日の「無銭飲食事件」のいきさつもあり、常連のハマちゃんに引っ張り込まれた次第。初対面に近い8人の方々とそれでもわいわい盛り上がる。異業種の方と飲むのも楽しい。まして家から1分の安心感。鮟鱇鍋、ママさんの故郷の浜田港から届いた烏賊もめちゃおいしい。6時から11時まで飲み倒す。
 19日、軽い二日酔いの頭を抱えて休日出勤。気持ちよい日和を横目に、閑散とした職場で同僚と無駄口を叩きながらお互いマイペースで仕事。これは平日にはできない楽しみ。こんなこともあと何回やれるのでしょう・・・。
 
最近読んだ本
 
「 虫封じマス」 立花 水馬
 
 「マス」の漢字変換が出来ませんでした。文政2年の正月、江戸下町の長屋に住む「お夕」の隣に住むことになった若侍、薄羽影郎(すすきばかげろう)は、「虫封じ」を仕事にしているらしい。そこで起こる不思議な事件。
 このジャンルのものでは「御宿かわせみ」より宮部みゆきさんの作風に近い感じ。オール読み物の第90回新人賞受賞作ですが、ちょっと小さくまとまっていて、数ある江戸捕物帖の中に呑み込まれて消えてしまいそう。次回作はもっと型破りなものを期待。
 
 
2010年12月13日
 
 「 翌(あす)からは 禁酒の酒が こぼれる 」 荻原井泉水
 
 エリート社員から酒で身を持ち崩し、妻と別れ、寺男になるため小豆島に落ちてゆく尾崎放哉。その出立前夜、師の荻原井泉水(おぎわらいせんすい)が京都東山の自庵で別れの宴を開いてくれた時の句。明日からは飲むなよ、今夜はこぼれるほど飲もう・・・でも、その戒めも守れないのですね。そのだらしなさがスキ。
 
 放哉は故渥美清が最後まで映画化を熱望した人物でもあります。
 
 「年一度の贅沢」と毎年書いてきましたが、ここんとこ、ボジョレーに行ったり。ホテルに泊まったりと、年一度以上の贅沢をしてませんか、という鋭いご指摘あり。ごもっとも、すみません。
 
 その元祖贅沢、「南座顔見世」見物と京の旅初任校の仲間3人で初めて今年で28年目。それぞれいろんなこともあったけど、12月のこの時期だけは3人揃って、奇跡的に続けてこれました。役者も変わりました。片岡家はもう4代にわたって見ていることになります。
 
 そして今年は夜の部。金曜後半休みを取って駆けつける。四条河原で一杯飲んで劇場へ。4時15分開演。
 
 今年は海老蔵騒動がありましたが、これは項を改めて書きます(ここでは本筋ではないし、書ききれませんー苦笑)。代役の片岡愛之助が「外郎売(ういろううり)」をさわやかに熱演。そして眼目の「一力茶屋」。由良之助の中村吉右衛門、平右衛門の片岡仁左衛門、お軽の坂東玉三郎、今円熟のこの3人という最高の顔合わせ。期待を裏切らぬ名演を堪能しました。それにしても玉三郎の衰えぬ容姿と声(私と同年ー還暦)に感嘆。この人、公演中は誰かさんと違い、一切飲みにも食事にも行かず、ひたすらホテルに籠もってマッサージと睡眠、体調維持に努めているそうです。それも怖いけど、尊敬。
 
 3つ目の「河庄(かわしょう)」は今回たただ一人の人間国宝、坂田藤十郎の紙屋治兵衛が目玉です。熱演は認めますが、やりすぎ。テンポも遅くて、見ている方も疲れました。でも80才とはとても思えない体の動きと声。お元気。
 
 ここまでで4時間。もう満腹というわけで、あとの二つ(「鳥辺山心中」と「越後獅子」)は諦めて退出、三条に廻って新装になった「池田屋」でたらふく飲んで、ホテルへ。トリプルでひとり4700円(安い)。部屋でまた飲む。
 
 翌日は嵯峨、大覚寺から直指庵へ。紅葉が残っていて人も少なく、晩秋の京を満喫しました。日曜午前は出勤して金曜午後から溜まっている仕事を整理。午後は2月の河内長野マラソン(10キロ)に備えて石川堤を10キロ走る。しっかり遊んだ分、改めて体を鍛え、貯金をして、また来年行けるようがんばります。
 

2010年12月9日
 
 奈良に初雪。いよいよ本格的な冬。でも、すぐ春がきます(?)。
 
センター試験の受験票が到着。あとひと月あまり。
 
やっと受験先がみつかり、受けに行く交通費も都合がついたのに、今日の入社試験に遅刻した生徒。がっくり。あさがんばれメールも送ったのに。なんでや?
 
明日香村で太田皇女(おおたのひめみこ)の墓?発見。朝夕眺める二上山に眠る悲劇の皇子、大津皇子のお母さんです。明日から入る「万葉集」の授業、がんばろう。
 
ノーベル平和賞に対抗して?中国で「孔子平和賞」創設。孔子も気の毒。

2010年12月8日
 
「 着ぶくれし わが生涯に 辿り着く 」 後藤 夜半
 
 この句には老境を楽しむ諧謔と余裕がありますが、私はもちいとじたばたして、出来るだけ薄着でいたいと思っています。
 
 あれこれありますが、朝の空の美しさ(明けの明星もーあ、「あかつき」は金星軌道に乗り損ねたのですね。スルーしてこのままどこへ行ってしまうのかと思ったら、6年後に再チャレンジの可能性があるのだそうですーその時、生きているかな)、真夜中の中天のオリオンの輝き、ささやかな鍋、電車の中で読む小説・・・この世に生きる喜びはいっぱいあります。
 
今日テレビで見た舞台
 
 今秋の話題作「表に出ろいっ!」。近年、主に歌舞伎の世界でさまざまな実験精神に満ちた衝撃作を連打してきた野田秀樹と中村勘三郎。30年来の友人が役者として、しかも夫婦役で初共演。3人舞台で、娘役に千人をこす応募者からオーデションで選ばれた全くの新人女優さん。
 
 狂言役者の一家。お互い隠していたが実は父はアミューズメントパーク、母は少年アイドルグループ、娘はファストフードに嵌っている。それぞれ出掛けようとするが、産気づいたペットの為にだれかが家に残らなければならない。そこからうまれる大騒動。
 
 とにかく息のあったテンションのめちゃ高い舞台。最初は引いてしまいましたが、その喧しさを我慢、覚悟して見続けるといつの間にか野田ワールドへ。コメディでありながら最後は各自の「信仰」の問題に行きついてゆく。うまいつくりです。でも、見る方も疲れました。
 
最近読んだ本
 
「レイクサイド」 東野 圭吾
 
 1997年に週刊誌に連載された「もう殺人の森へは行かない」が2002年に書き直されて刊行されたもの。人気の東野作品、映画化もされて「レイクサイドマーダーケース」(主演・役所広司、薬師丸ひろ子)の題で封切られたそうですが、知らなかった。
 
 湖畔の別荘に受験合宿に来ていた子供達と四組の夫婦。そこで起こった殺人事件。夫のひとりを追ってきた愛人が殺され、妻が自分が殺したという。みんなは協力して証拠隠滅を謀り、死体を湖に沈めるが、事件には不自然な影がつきまとう・・・。
 
 東野さん独特の凝った作りと語り口。一気に読まされるけれど、ミステリーとしての面白さだけで、登場人物に誰にも感情移入できないじれったさが残りました。
 

2010年12月5日
 
「 大根引き 大根で道を 教へけり 」  一茶
 
 青々とした葉の満ちる大根畑、引き抜かれた白い大根。ユーモラスな動きだけでなく色彩も美しい句です。
 
 サッカーWカップ2022年開催地はカタールでしたね。私の推した?オーストラリアは真っ先に脱落。続いて日本も。8年前に開いたばかりというハンディに加えて、施設の貧弱さがネックになったとか。その負け戦にあえて挑むのに、前回開催時の誘致運動予算の10分の1の予算で臨んだというのですから信じられない。梅田北ヤードのスタジアム計画も白紙に戻る?これって大阪オリンピック招致の時の夢島のスタジアム建設計画と同じパターンですね。学習していないということか。
 ま、大金を投じて負けたアメリカという国もあるのですから。金だけの問題ではありませんが、お粗末な話ではあります。
 
 カタールという国に対して不勉強でした。(今でも地図で指せませんー苦笑)。勝手に政情不安などと書いて失礼しました。オイルマネーを背景に勢いを増してきている国なのですね。
 
 金曜から恒例の職員バザーを開催。多くの同僚の協力を得て盛況。一日で目標の売上高をクリアー。ハイチのコレラ対策費用としてユニセフに贈る予定です。
 
 金曜夜は帰宅後、出直して、アベノの馴染みの店で忘年会。下の息子の婚約者のお母さんから頂いた吟醸酒「熊野三山」を持参してみんなで味わう。
 
 私「飲む前に質問です。さて、熊野三山とは何をさしているのでしょう?」
会社員のUちゃん「任せて。わたし社会の教師の免状持っているのです!まず、畝傍山でしょ?」
私「全然違うけど、まあ、続けてください?」
Uちゃん「耳成山、それからええとー、天の、天の・・・」
みんな「天の・・・」
Uちゃん「橋立!」
隣のテーブルのお客さんまで転けてくれました。味は好評でした。飲み過ぎ。
 ちなみに熊野三山は本宮、新宮、那智にある三社のことです。
 
 土曜午後もテニスの後、テニス仲間11名が富田林で再集合して忘年会。これが行ってみたら私の還暦祝いの会となっていて、きれいな花駕籠、赤いセーター、サンタクロースの衣装、小物バッグなどいただく。感激。飲み過ぎ。
 
 翌日、二日酔いの頭で早朝座禅に。この夏の暑さの影響で本堂にもとうとうエアコンが入っていました。覚悟して厚着して行ったのですが、嬉しいような、なんかおかしいような。
 
 友人でもある住職に聞くと、今日はこれから落ち葉の大掃除。最近どんどん増えてきた、建て売りの家の並ぶご近所からの苦情もあるとか。燃えるゴミとして業者に出すのだそうです。落ち葉はゴミ?腐葉土にはならないんだ!しないんだ!
 
 更に驚いたこと。落ち葉を焚いたらもちろん、隣の神社の正月の「どんと焼き」にも問い合わせやら苦情やらがあるらしい。ダイオキシンなどで騒ぐ遙か前から続いてきた伝統行事なのに、知らない人が増えてきたらしい。煙も年数回くらい我慢しなさい。
 
 晴れた一日。青空に誘われて午後から二上山に。紅葉は終わっていたけれど、夕陽を浴びた晩秋の山は美しい。人がいないのがうれしいような寂しいような・・・。
 
最近読んだ作品
 
「 一両札 」 木内 昇
 
「 四文の柏餅 」 田牧 大和
 
 偶然ながら、舞台は共に江戸、技術、ワザに長けた、しかし時代からはぐれた人物たち。そして兄弟愛。結末は違いますが、後味はどちらも悪くありません。
 
 

2010年12月2日
 
 「 遠山に 日の当たりたる 枯野かな 」 高浜 虚子
 
 眼前の枯野は荒涼としていますが、遠くの山はぬくもりのある色をしています。故郷の山を思います。
 
 3億円ジャンボ宝くじが売り出されました。今回は当たりくじが倍増だそうです。買いますが、ちょっと躊躇いもあります。やはり10枚三千円は痛い。実際売り上げは近年落ちているそうです。不況の時は宝くじが売れると言いますが、不況の厳しさが上回っているということでしょう。
 
 でも、宝くじ売り場のメッカ?数寄屋橋の売店は長蛇の列らしいです。但し「一番売り場」だけ。あとはガラガラ。それで一番売り場が二つあるそうですが・・・(何やそれ)。
 
 漢字検定を受けたいが、受けに行くのも交通費等が大変だという。そんなら学校で受けられるようにと公開会場の手続きをしたら、今度は10名の規定受検者数が集まらない。なんでや?受検料がないという(何やそれ)。
 
 臨時国会の幕切れは、秋篠宮にヤジを飛ばした?のと携帯を鳴らした与野党議員が共に懲罰動議を出されるというだらしない結末(何やそれ)。出す方も出す方や。
 
 橋下知事。梅田駅前の新サッカースタジアム誘致検討委員会のメンバーでありながら、27日、いきなりスタジアム建設反対の意志表示。今夜、2022年ワールドカップ開催地発表。普天間基地を大阪に(「大阪も汗をかかなければ」と言わはった言葉を憶えていますーハッタリにしても共感しました)から一転、「神戸空港を見てもらいたい」だと(何やそれ?神戸は兵庫県やろ?)。
 
 ワールドカップ開催地候補のプレゼンテーション合戦。日本は地味でした。サッカー選手も、政治家もいない。かわいい子役が活躍(それもええけどな)。アメリカは派手。名優モーガン・フリーマン登場、オバマ大統領はビデオで参加、とどめはクリントン元大統領のスピーチ。やり過ぎ。
 
 個人的にはオーストラリアがいいと思っています。どうせやるなら、やっていない所で。カタールはちょっと不安定ですもんね。いずれにしてもあと1時間余りで結果が出ます。
 
 テレビで秋吉敏子さんが「HOPE」を弾いている。手術して手が充分動かないらしい。それにしても・・・。
 
最近印象に残った言葉
 
 佐藤愛子さん 雑誌「オール讀物」にエッセイ「我が老後」を連載始めはったのが1990年。当時67才。その後中断しつつ自身の老いを見つめ、「なんでこうなるの」「だからこうなるの」「それからどうなる」「まだ生きている」そして昨年から「これでおしまい」を16回書いて、この11月号で最終回。作者87才。
 
 「順調に老い衰えてあの世に近づいていく気配が濃厚になってきた。そろそろ潮時だ。もう友を面白がらせたり怖がらせたりする力もなくなってきた。体力だけでなく気の弱りが出てきている。気の弱りの出た佐藤愛子なんぞ、何の値打ちもないのである。六十七才から丁度二十年。キリもいい。このあたりで罷り散ります。皆さんさようなら。粛々とこれでおしまい。」
 
 失礼ながら晩年ほど文章は冴えてきました。この最終回も長文で「粛々と」という言葉をテーマに政治を論じ、「中国の家来となって滅んでゆくであろう」国家を憂い、言葉を論じ、最後は自身に戻って、見事に締めくくっています。ご立派。長い間、楽しませてもらいました。ありがとう。佐藤さん、さようなら。
 



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